WurtSが語る、秘密のベールに包まれた「研究家×音楽家」の裏側

コミュニテイの必要性

―WurtSさんは以前から「音楽で社会問題を持続的に支援できるシステムを作りたい」と言っていて、今回の楽曲たちにも今の社会に対する批評的な目線が所々にあるように感じます。今、社会のどんなところに課題感を感じていて、どういった未来を作っていきたいと考えているのでしょう。

WurtS 僕、「反骨精神の塊」みたいに思われるときもあるんですけど、社会に対して別に反発はしていなくて。どちらかというと順応していきたいというイメージがあります。それこそWurtSが生まれたのも、「コロナ禍でどうしたらもっと音楽を届けられるのか」を考えてTikTokに投稿したことが始まりだったので。社会の変化に対して「これはダメ」という言い方ではなくて、「これがダメならこうしていきたい」みたいな、どちらかというと反抗精神のロックではなくて順応するための楽曲を作っているようには思ってます。

―「前向きな提案」とも言えるというか。

WurtS そうですね、「考え方を変えよう」みたいな。僕が思っているのは、WurtS自体は枠組みを作る人だということで。他のアーティストさんは音楽の内容とか歌詞で元気付けられていて、それもすごく大事だと思うので僕もそういうことをしたいんですけど、どちらかというとWurtSが言ってる社会貢献、社会に対するアプローチというのは枠組みを作ることなのかなと。音楽で何かを変えるというよりかは、コミュニティを作っているような感覚なのかなと思います。問題があったときに、コミュニティを作ってみんなが動いたらできることがあるよね、みたいな。その場所を作りたいというイメージです。

―一般的な「ファンコミュニティ」とは違うイメージを持っているということですよね。そのコミュニティでWurtSさんは何を成し遂げたいのでしょう。

WurtS 今年からシリーズ企画を始めていて、それは枠組みになってほしいなと思っているんですけど。最終的には、新しい音楽の聴き方ができるコミュニティを作りたいなと思ってます。説明がすごく複雑になっていきそうなんですけど(笑)、「W’s Projectをディズニーランドにしたい」ということを言っていて、その計画のためのシリーズ企画であったりして。シリーズ企画というのは、ミュージックビデオをシリーズ化するという面白さもあるんですけど、それ以上にミュージックビデオがどんどん繋がっていって、最終的にみんなが別のコミュニティに参加するようなシステムにしようかなと思っています。それが成功しても成功しなくても、ミュージックビデオを見ながら新しい取り組みに意識を向けさせることができたらなと。

―強固なコミュニテイが何かを動かすことがあったり、リーダーたちに頼れなかったりする今の時代性とも関係しているのかなと推測しちゃうのですが、WurtSさんがコミュニティを形成することをそこまで大事に思っているのはどうしてですか?

WurtS 色々とぐちゃぐちゃになりそうなんですけど(笑)、WurtS自体は1つのキャラクターだと思ってて。ディズニーランド計画でいうと、ミッキーがWurtSで、ウォルト・ディズニーがWurtSの中の人。最終的にはミッキーの中の人はいろんな人がやってるみたいな、僕が音楽を作らなくてもWurtSというものが動いているようなキャラクターにしたいなと。僕はWurtSとは別のキャラクターも作っていきたいなと思ってます。僕はドナルドとかデイジーも作りたいので、WurtSはコミュニティとして作っていきたいというか。



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