LiSAが語る、音楽が鳴る場所で、共に「最高潮」へ向かうために

「NEW ME」がアルバムの起点に

ードキュメンタリーの中でもひとつの軸となっていた新曲「NEW ME」は、本作の中でも重要な1曲となっています。なんとなくですが、この曲からニューアルバムの制作はスタートしたのかなと思いました。

LiSA:本当におっしゃるとおりです。まず「NEW ME」を作るとき、私は10周年を迎えるまでは「10周年のときに何を思うんだろう?」ということを考えながら過ごしてきて、実際10周年を迎えたときはみんなとこれまでを振り返ることをしてきました。で、今年の4月にソロデビュー11周年に突入したのですが、私はこの先のことを思い描いたんです。この先の10年を歩んでいくにあたって、ここから始まっていく未来を、みんなが挫けたり躓いたり、頑張ったり頑張れなかったりしながら、また進んでいけたらいいなと思って、この楽曲を作りました。そして、世界がこの2、3年で変わったことも、私自身がそのタイミングに10周年を迎えたことも含めて、“新しい私”の始まりだなと感じて、このタイトルを付けたんです。



ーそう考えると、アルバムタイトルの『LANDER』含めてすごく象徴的なワードですよね。

LiSA:そうですね。「NEW ME」を完成させてから、「ああ、アルバムタイトルは『LANDER』がいいな」と思ったくらいですから。

ーここからまた浮上して、新しい世界をどんどん見つけていく、その第一歩となる作品なんでしょうね。内容に関しては既存曲が半分近くあるものの、新曲と混ぜて並べることで新しい魅力が伝わるような、全体を通して物語性が強まったアルバムという印象があります。

LiSA:ありがとうございます。2年ぶりのアルバムとなりますが、この2年はいろいろ考えつつ、新しい活動をしながら進んできたので、シングルとして向き合ってきた楽曲たちの振り幅もすごく広がりましたし、かつその1曲1曲がすごく重たくて、アルバムの中の柱としてすでに組み上がっているんじゃないかと感じたんです。そこに「NEW ME」という曲が加わったことによって、『LANDER』というアルバムの全体像はきちんと出来上がっているような感覚もありました。なので、ある意味アルバムの新曲は自由に作れるなとも思ったんです。自分と素直に向き合ったうえで、自分自身が今必要としているもの、作りたいもの、11周年を迎えた私が歌っていきたいもの、やってみたいことを、自由度高くやってみようという心持ちで制作に臨みました。

ーそんなアルバムのオープニングを飾るのは「往け」。新たな始まりを告げる、象徴的な1曲です。

LiSA:「往け」は『劇場版ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』の主題歌だったこともあって、アスナが暗闇を駆け抜けているような、閃光になっていくようなイメージで書いていたので、結果的に『LANDER』の最初の駆け出しとしてもぴったりな曲になったと思います。



ー今作は序盤に激しめの楽曲を並べ、中盤に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」主題歌「炎」をはじめとした梶浦由記さんとの楽曲が並ぶブロック、後半にはバラエティ豊かな楽曲が顔を揃え、最後に「NEW ME」で締めくくるという、起承転結がすごくはっきりした構成ですよね。

LiSA:そうですね。ワクワクした旅をイメージして、自分が出発した地点からいろんな惑星を駆け巡って、新しい惑星にたどり着いていくような、そんな世界観が曲順でも表現できるといいなと考えた結果なんです。



ーと同時に、楽曲の振れ幅が大きいものの、全体の流れが今まで以上に滑らかでもある。

LiSA:ああ、そう感じていただけてうれしいです。やっぱり、中盤の梶浦(由記)さんゾーンの世界観がすごく強かったので、それを『LANDER』という大きな枠の中でどんな風に新しい気持ちで楽しんでもらおうかということは、一番考えたことかもしれません。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE