ばってん少女隊が語る、ばっしょーらしさの追究、渡邊忍とのコラボレーション

表現面での工夫

―渡邊忍さんが提供する様々な楽曲を筆頭に、みなさんはいろんなタイプの楽曲に挑戦しているわけですけど、これらの曲をひとつのライブで表現するのは大変ですよね。どんな工夫をしているんですか?

上田 セットリストは自分たちで話し合って組むことが多いんですけど、今は「OiSa」が自己紹介代わりの曲になっているので困りすぎるっていう感じではなくて。

―どういうことを意識してセットリストを組んでるんですか?

上田 リリースイベントとか私たちを初めて観る方が多いときは、少しでも興味を持ってもらったり足を止めてもらいたいので「OiSa」から始めることが多いですね。でも、最近は自由に「OiSa」を置くことが増えてきました。「OiSa」を歌ってから「おっしょい!」のときも全然ありますし。真反対の曲だけど、切り替えは頑張ってます。

瀬田 あとは演出家さんが考えてくださったマッシュアップもあります。たとえば、この前やった7周年ライブでは「OiSa」でほかの曲を挟んだり、いろいろ組み合わせて面白く見せたりもしてます。

―楽曲ごとにかなり起伏がありますけど、どうやって気持ちをつくっていくんですか?

希山 でも、振りがつくことで気持ちが入りやすくなるんです。

上田 それに、「OiSa」に対して自分たちが自信を持ててるというか、「これは聴いたことあるでしょ?」くらいの気持ちでいけるんです。最初は「この曲、どうしたらいんだろう……?」って感じだったのが、今では一番自信を持てる曲になってるからこそ、堂々とできるようになったかなと思いますね。

―そういう曲ができたというのは大きいですね。

春乃 「OiSa」を披露してると足を止めてくださる方がたくさんいるっていうのは何度も実感しているので、そういう曲をいただけたのはありがたいなって思います。

瀬田 「OiSa」ができるまでは「おっしょい!」が名刺代わりの曲だったんですけど、祇園山笠の掛け声は「おっしょい」から始まってその次に「おいさ」が来るので、そういう流れもすごく好きです。

―先日出演した「Rolling Stone Japan LIVE 5th ANNIVERSARY SPECIAL supported by Tポイント」ではクールな楽曲だけで攻めていましたね。

春乃 アイドルフェスだと一緒に踊りやすかったりキャッチーな曲がいいよねっていうことになるんですけど、「Rolling Stone Japan LIVE」は楽曲にすごく力を入れてらっしゃるアーティストさんが多かったので、私たちもカッコよさ全振りでいきました。

―あのライブはいかがでしたか?

上田 私たちは普段アイドルフェスに出ることが多いんですけど、あの日のライブは女性の方が多くて、そういう場に立つことは今までなかったのでステージに立つ前は緊張感がありました。でも、そんなのは杞憂だったと思えるぐらい、私たちのことを初めて観てくださる方もクラップで一緒に盛り上がってくださったり、手を振ってくださったりしてすごく温かく迎えてくださったので私たちも楽しめました。みなさんが笑顔になっているのを見れてすごくうれしかったです。

―たしかに客層は全然違いましたね。

瀬田 全然違いました。かわいらしい格好の方とかペンライトを持ってる方も多くて、すごく素敵でした。

―あの日のライブでも思いましたけど、最近の楽曲は元気に弾けるというよりもシャープな動きで魅せる振付が多いように見えるんですがいかがですか。

上田 最近の曲は振付稼業air:manやjABBKLABのcocoroenさんがつけてくださってるんですけど、air:manさんの振付は全員の動きが揃うことでカッコよさが出るもので、中でも「OiSa」とか「YOIMIYA」は構成をすごくこだわっているので、ちょっとでも位置がズレるとガタっと崩れてしまうんです。なので、最近は踊っていて気づいたところがあったらメンバーと「今、合ってなかったね」ってすぐに話し合うことが増えました。

―より緻密になってきた。

上田 そうですね。そのせいで世界観が崩れてしまうのはもったいないので。逆に、cocoroenさんは私たちに表現を任せてくださってるというか、「あとは好きなように」って感じで与えてくださるので、それはそれでちょっと難しいです(笑)。

春乃 でも、私たちの中では揃えることを大事にしているんですけど、『九祭』には「さがしもの」とか「御祭sawagi」とか「南風音頭」みたいに踊りやすい曲がいっぱいあるので、初めて観た方でも一緒に踊れると思います。







―これまで様々な時期があったと思うんですけど、今のばっしょーを安定期とか上昇期みたいに表現するなら何期だと思いますか?

上田 この7年間でいったん全部を通ってきて、また最初に戻って上昇期に入ってるんじゃないかと思います(笑)。

瀬田 りるみゆ(蒼井と柳)が入ってきてから特にいろんなチャレンジができるようになって、どんどん上がってきていると思います。これまでもいろんな方に協力していただきながら一番いいものを常に届けるために頑張ってきて、それでも難しいなと思う時期もあったけど、だからこそ今、より踏ん張って頑張れてるんだと思います。

―再上昇期、ですかね。

瀬田 でも、一気にガンと行くのではなくて、一段ずつ階段を上ってる感じがします。九州を盛り上げるために九州ツアーをやったり、リリースイベントで全国を回ったり地道な活動をすることで隊員(ばってん少女隊ファンの呼称)の方が増えていってる感じがするし、『九祭』を聴いてくださった方も「ばってん少女隊は楽曲がいいよね」って言ってくださってるので、今は頑張ってる途中です。

上田 再度そういう時期が来ていると自分たちで感じられるのもアイドルとしていろんな楽曲に挑戦できているからなのかなっていうのはすごく感じます。そうじゃなかったら「OiSa」には出会えてなかったと思うし。

瀬田 これがバンドだったとしたら自分たちのやりたい音楽は決まっちゃってるし、そのジャンルで勝負するしかないってことになるだろうけど、アイドルは演歌もできるし、かわいいこともできるし、K-POP寄りのこともできるので、これからも楽しんでいきたいです。

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