PassCodeが語る、可能性を解き放つグループの新機軸

「歌」が前面に出た理由

―さて、1年以上ぶりの新音源『REVERBERATE ep.』がリリースされます。なぜこんなに時間が空いたんでしょう。

南 本当はもっと早く出したかったんですけど……DayLight Seasonっていう、うちのサウンドプロデューサーの平地さんと事務所の社長が昔やってたバンドがあって、そのバンドに今やってるFCツアーに出てもらうことになったんですよ。そうしたら、いつの間にかそっちの新曲をつくってるな……っていう雰囲気が出てきて、そうこうしている間に月日は流れ……今です(笑)。

―あはは! 

南 (今作の収録曲の)「SIREN」は5月の野音で初披露してたし、今年もリリースたくさんできたらいいねっていう話はしてたんですけど。



―そう言われてみて納得です。DayLight SeasonはMVまで撮ってましたよね。

南 もちろん、ほかにもいろいろあってバタバタしてたみたいですけど、その割には平地さん、登山とかにもよく行ってたし(笑)。でも、アルバムでもシングルでもなく、EPを出したいっていう話は前から少ししてたんですよね。アルバムだとライブで消化しきれない曲がどうしても出てきちゃってもったいないし、かと言ってシングルだと物足りないしって。それで今回はEPをつくろうっていうことで制作が始まりました。なので、4曲入りで出せてよかったです。

―「SIREN」はこれまでの物語のエンディングのようでもあり、これから始まる未来へのオープニングのようにも感じられる不思議な手触りのある曲だと感じました。

大上 「これまでのエンディング」っていうのは「そういう聴き方もあるんや」って思いますね。私は野音で初披露したときの印象が残ってるので、野外の開放感溢れてるイメージが強いです。PassCodeはライブハウスとか暗い場所でみんなに光を当てる、みたいなイメージのグループなので、明るい曲が増えたことはうれしいです。

高嶋 野音のためにつくられたような曲やったんで野外に合うなと思ったし、ライブで立て続けにカッコいい曲をやったあとにこの曲をポンとやると雰囲気がガラッと変わるので、すでに重要な曲になってますね。

―えみりさんはどうですか?

有馬 PassCodeの曲はほかのシャウトを使う曲に比べるとシャウトのフロウが遅くて4分音符とか2分音符でとってることが多いんですけど、「SIREN」は唯一と言ってもいいぐらい8分音符で言葉を入れてるんですよ。つまり、歌詞が速いっていうことなんですけど。

南 「SIREN」もそうなんですけど、今回は4曲とも歌をメインにした曲で、前回の「Freely」のときはえみりはシャウトのパートしかなくて歌声を聴かせる場面がなかったんですよ。だから今年フェスに出たときに、「あの子、シャウトだけすると思ってたら歌も歌えるんだ」みたいな反応がけっこうあって。

―そうだったんですね。

南 最近はシャウトの割合によってえみりが歌を歌うかどうか決まることが多いんですけど、今回は平地さんが「振り切った曲はいつでもできるから、今回は敢えて歌を際立たせよう」っていう方針を立てたので、4曲中3曲はえみりの歌ががっつり入ってます。音源でえみりの歌が聴けるというのは私の中ではすごく大きいです。「SIREN」もわりと歌ってるパートが多くて。

有馬 私の歌声が初めて世間に発表されたのは、ぱすこーど「恋するチェリー、ときどき花粉症」なんですよ。

―あはは! たしかに!

大上 ホンマや!(笑)

有馬 だからよかったですね。

大上 あれが本当の声だと思われる(笑)。

南 えみりの歌声によって今までのPassCodeに若干違った色が加わったと思ってて。発声もそうだし、歌の強さに関してもアタックを打つ場所がほかのメンバーと違ったりするのが面白いんですよね。あと、これまでは(大上)陽奈子が英語の歌詞を歌うことが多かったんですけど、えみりも英語が得意だから英語のパートが半分ずつになったりして、ちょっと武器が増えたというか、いろんなことができるなって今回の4曲を録ってみて思いました。新しい感じがしますね。

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