森山良子特集、歌手活動55周年の歴史を自選曲とともに振り返る



田家:これは作詞作曲が森田公一さんですね。

森山:実は森田さんはトップギャランの前に原トシハルとB&B7という歌謡コーラスグループにいらしたんです。私はデビューする時に父のお友だちのベーシストがいらした事務所に、知り合いだから心配がないだろうと預けられたんですね。その中に森田さんが所属しているグループがいらして。あの頃はいっぱいツアーがありましたので、毎日彼らとツアーをしていたんです。森田さんはピアノを弾いて、音楽面は全部担当していらしたんですけど、ある時、「良子ちゃん、僕こんな曲書いてみたんだけれどちょっと歌ってみない? これは僕の真実の話なんだよ」「僕の母の話なんだ」って。森田さんは信頼できる真面目な方だったんです。こうやって曲を書いてらっしゃるんだなと思ってすぐにレコーディングをしたわけなんです。それからしばらく経って、あのトップギャランを結成なさって。

田家:「青春時代」はこの9年後ですから、かなり前ですもんね。世の中に出た作曲という意味ではこれが最初に近いんじゃないですかね。

森山:たぶんそうだと思います。

田家:ご自分のお母様のお話なんですね。

森山:お父様が戦地に行って帰ってこなかった話を伺いながら、すごく切ない気がして。森田さんはとてもやさしい方だったので、つらい日々を過ごしただろうなと思いながら。一緒に回っているコンサートで歌い始めて、レコード会社の方たちもすぐレコーディングしようと言ってくださって。

田家:本城(和治)さんが。

森山:そうですね。

田家:本城さんの特集も番組で1ヵ月やったことがあるんです!

森山:そうなんですか! わ! 多岐にわたる。

田家:良子さんの話、たくさん出てきました。

森山:そうですかーありがとうございます。

田家:いろいろな方が脚光を浴びる前に良子さんのところで音楽活動、作曲活動をされている、次の人もそんな一人です。今日の4曲目、1968年5月発売「雨あがりのサンバ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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