ALIが語る、アナーキーな音楽と描きたかった世界



ーライブで「一緒に踊ろうぜ!」って呼びかけるバンドもいると思うんですけど、ALIの場合、混ざらないと損するなと思って勝手に体が動く感じがするんです。


LEO:外タレのライブってそういう感じになるじゃないですか? 俺らも日本人として話してますけど、見た目がハーフの特権かもしれないですよね。ステージに立つとフィクションになれるっていうか、現実を忘れられるのかなって。ダサを通り越せる節はあるかも。

CÉSAR:あと技術的なとこでいうと、ドラマーのboboさんとのセッションは本当に勉強になったし、グルーヴはそこでめっちゃ上がりましたね。特にLUTHFIさんは毎回boboさんに色々言われて、めきめきグルーヴ感を覚えていった。それがめちゃめちゃ収穫でしたね。

LUTHFI: boboさんはめちゃくちゃバックビートなんですけど、僕は頭重視で真逆のグルーヴで。それでドラムとベースがぶつかってしまうのが悔しくて悔しくて。でもグルーヴが合った時、こんなに気持ちいいんだ!とちょっとずつわかってきて、すごく楽しくなってきています。ラテンをやる時はめちゃくちゃ褒められんですけど、洋楽的な曲になると「ベース初めて弾いたの?」ってぐらいギャップがあるらしいんですよね。僕はインドネシアにいたときほとんど洋楽を聴いてこなかったから。

ーそのあたりLEOさんは、どのように感じていたんでしょう。

LEO:ALIはメンバーがどんどん淘汰されてピュアだけ残ったというか。いかれたやつしか生き残れない状況なので、頑張るしかない状態なんです。謹慎中含め、いつでも辞められる理由は転がっている中、信じて続けてきている2人だから。

LUTHFI:LEOと一緒にいると格好よくて楽しい音楽をやれるなと思って。他の人じゃ絶対ダメなんです。それが僕がALIに残っている理由なんです。

CÉSAR:僕は本当に諦めが悪い人間なので、ALIを辞めようなんて1ミリも思わなかったですね。元々音楽を仕事にしていこうって夢が強かったから、反対した人とかに中指を立てる気持ちで頑張ってきた節はあって。単純に自分の前に立ちはだかった壁が、自分の気持ちよりも全然低かったって感じですかね。

ーそれこそ最初の取材で、LEOさんはALIが3回目のメジャーデビューだって話してくれましたよね。三度目の正直というか。

LEO:俺がALIを始めたのって、いまのCÉSARくらいの年なんですよ。15年前ぐらいお世話になった業界の人とかと会うとびっくりされますし、俺も自分びっくりしますよ。タフだったなって。

Rolling Stone Japan 編集部

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