アーロ・パークスが語る渾身の2作目、彼女の目に映る「喜びと痛みと迷い」の世界

人生を共有できるパートナーとの出会い

この2年を「最高に楽しかった」と語る一方で、数々のツアーをこなすことや自身の気持ちの整理には難しさもあったという。2022年9月に『My Soft Machine』の制作と一連のフェスを終えた直後、精神的な疲労により、彼女は予定していたアメリカツアーをキャンセルした。「心がとても暗い状態で、疲れ果てて、本当にどうしようもできない」と綴り、休息をとるためにロンドンへと戻った。

「仕事にすべてを注ぎすぎて、自分の面倒をみる余裕がまったくなかったんだと思う」と、当時を振り返る。事実、彼女は去年のうちに、ほぼ休む暇もなく125のショーをこなしていたのだ。「一つのことに集中しすぎていたみたい。体と心の声を聞いて、バランスをとるべきだって実感した。チームや周りのみんなはその状況をよく理解してくれて。だから、大事な人との時間を作ろうって、一旦休憩をすることにした」

彼女にとって、現在のホームはロサンゼルスだという。砂漠と海のそばで過ごせる時間、築き上げてきたコミュニティ、さらに新世代ポップアーティストでガールフレンドのアシュニコ(Ashnikko)との時間を過ごせるのが大きな理由だ。昨年12月に彼女たちは1周年記念を祝福し、ファンに向けてソーシャルメディアでプライベートを共有した。

「彼女と共有したいことがたくさんあった」とパークスは言う。「目に見えない尊いものが私たちの間にある。このアルバムには、彼女についての曲がたくさん入っている」

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パークスが歌うのは、突然スターへの階段を駆け上がるという経験を共有できる相手と出会えたことに対する、運命への感謝だ。「理解してもらえるのは、本当にありがたい」と彼女は言う。「私たちの境遇はかなり特殊。お互いが自分の道を進みながら、共感の域を超えて信頼できる人と生きていく世界は美しい」

Translated by Natsumi Ueda

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