PassCodeが語る、『GROUNDSWELL ep.』で示したグループの本質

メンバーが語る収録曲

―では、今作の収録曲について一人一曲ずつ解説をお願いしたいと思います。まず、「Lord of Light」について南さん、お願いします。

南 これは「MYTH」以外の3曲で最初にできた曲です。メロディーが耳に残りやすかったり、今回の曲の中で『REVERBERATE ep.』に一番近い曲だと思います。歌っててもすごく気持ちいいし、ライブでも絶対盛り上がるだろうなって。

有馬えみり この曲はシャウトがむずかった。

南 あ、そうなんや。いつもと何が違うん?

有馬 歌詞がめちゃくちゃ速い。私はおととし加入したばかりだから、みんなと違って過去のPassCodeの曲をダンスも歌も直近で覚えてるんですよ。たとえば、ここ半年で1stアルバム『ZENITH』の曲を覚えてたり。だから、新曲の難易度が爆上がりしてるのがよくわかってて。

南 6年ぐらいかけてちょっとずつ難しくなっていってるのかもしれないね。



―これはライブでお客さんがサビでシンガロングする光景が浮かびます。

大上陽奈子 落ちサビみたいなところがあるのもいいですよね。サビが2回来るし、ここは絶対にライブで手拍子が入りそう!

―では、続いて「Melody from the Bumbling Clash」を有馬さん。

有馬 この曲はシャウトのリズムを私がつくったんですよ。

―おお、それは初の試みですね。どうしてそういうことに?

有馬 基本、シャウトってシャウトボーカルがつくることが多くて、平地さんみたいなコンポーザーが全部考えるっていうのはけっこう珍しいケースなんです。ボーカルやけどメロディは考えへん、でもシャウトとラップは考える、みたいなことはよくあるんです。そのことを平地さんは知ってはって。で、私は前のグループでもシャウトは自分がつくってたので、そのことをどうやって知ってたんか知らんけど、「つくってみてくれへん?」みたいな感じで声をかけてくれました。

―なるほど。

有馬 で、最初は歌詞も何もない平地さん語で歌ったものが送られてきて、それに私が歌詞も何もないえみり語の状態でシャウトのリズムを録って平地さんに送って、それに歌詞がついて完成したって感じです。

南 この曲が来たの、けっこう前やもんな。『REVERBERATE ep.』を出すよりも前。次の作品をどういう形で出すか悩んでたときにはもう出来上がってたんですけど、「今回入れるのは違うな」ってことで今回入りました。

有馬 歌詞を見て驚いたのが、平地さん語の響きに忠実に作詞されてたし、私もえみり語だけじゃなくて般若心経とか入れたりしてたんですけど、それにもちゃんと英詞が付いてて。しかも、リズムも変わらずにそのまま活かしてくれてたんで、「プロってすごいな」って思いました。Konnie Aokiさん、すごい。耳がめっちゃいいんやと思います。



―この曲のリズムはどういうところからインスピレーションを受けてるんですか。

有馬 やっぱ、長年の経験……?

全員 あはは!

有馬 シャウトの練習をするときにカラオケに行って海外のバンドの曲をよく歌うんですけど、私、シャウトの歌詞までいちいち覚えてられなくて、画面に出てくる歌詞を自分なりのリズムでシャウトしてるんですよ。そういうのもあるかな。

南 このリズムにはこう乗せるのがいい、みたいなのってあるん? セオリーみたいな。

有馬 めっちゃいい質問やけど、ようわからん(笑)。フィーリング。

南 フィーリングなんや。

―でも、すごく耳に残りますよ。

有馬 今回、三連符のシャウトのフロウを使ってるんですよ。それって今のメタルコアのトレンドなんですけど、これまでPassCodeの曲に入ってなかったので平地さんにそう話したら、「そういうのは俺には絶対考えつかんかったから、やってもらってよかった」って言ってもらえて、それは嬉しかったです。

―抑揚とかも含めて、シャウトだけどメロディっぽいっていうか……。

有馬 そうなんですよ。やっぱり、平地さんはシャウトボーカルじゃなくてコンポーザーなので、シャウトを楽器的な感覚でつくるんですけど、私はやっぱりボーカルなんで、シャウトボーカルが考えるシャウトになるんですよ。

―今後もシャウトは自分でつくるんですか。

有馬 いや、別にどっちでもいいです。求められるならやるけど、平地さんがつくったシャウトを歌うのもすごく好きなんですよ。だから、本当にどっちでもいいですね。

南 曲によって分けられたらいいよな。そうしたら幅がすごく広がるし。

―では、「MYTH」を高嶋さん。

高嶋 「MYTH」は「北斗の拳」のタイアップのために2年前ぐらいにつくられた曲で、当時のことはほぼ覚えてないんですけど、配信リリースのちょっと前ぐらいに確認用に送られてきたのを聴いて、えみりがシャウトでめちゃくちゃ<あたたたたっ!>って言ってるのを聴いて「北斗の拳」の要素がめっちゃ散りばめられてるなって思いました。ライブでやってみたら、PassCodeのよさが前面に出てるなって改めて思ったし、今ではライブに欠かせない曲やなって思います。すごくいい曲です。一番好きかもしれん。曲も好きやし、振付も新鮮で面白い。



―2人ずつ組になってお互いの頭上に蹴りを入れる振付がありますけど、よく頭を蹴らずに済んでますね。

高嶋 でも、練習では当たってる。

南 ライブ写真を見ると、かえちゃん(高嶋)の頭の上を(大上)陽奈子の蹴りがギリギリで通ってるよな。

大上 けっこうギリギリ(笑)。

高嶋 割と髪の毛かすってる。

大上 ちょっと股関節痛めてたら蹴っちゃうかもしれない。危ない(笑)。

―あはは! では、ラスト「GROUNDSWELL」を大上さん。

大上 最初、チームの人たちから、「今回のEPはこの曲でMVを撮ろうと思ってる」って言われたときは、「ほかにも強い曲あるのにこれなんや……」って一瞬反発しそうになったけど(笑)、何回も聴いていくうちにサビのメロディーがだんだん頭に残るようになってきて。だから、これからライブでもっといい感じにしていきたいなって思ってます。
南 この曲は平地さんがいつもと歌割りを変えてみたって言ってました。平地さんの中で曲を出すごとに新しいことに挑戦したいっていう気持ちがあるみたいで、サビを1人ずつわりと長めに歌ってたりします。普段だとかえちゃんがしそうなタイトルコールを私がしてたり、色々と試してるので新鮮だと思います。




左から南菜生、高嶋楓、有馬えみり、大上陽奈子

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