「とことん跨いで横断していきたい」―歌詞に関して、「Novel Core & THE WILL RABBITS」として出すものと「Novel Core」として出すものとで、何か意識の違いはありますか?Novel Core:今回はChakiさんから「遠回りせずにわかりやすく」と言われていたのでそれを意識しながら書いたんですけど、でも自分らしく普段通りに書かせてもらいました。Chakiさんはリリックのディレクションもがっつり入られる方なので、「結構赤ペン入る可能性あるよ」という話も聞いていたんですけど、いざ作っていくと3曲とも少なかったんですよね。純粋に作詞をChakiさんから褒めていただけたことは自信になりました。
―バンドとして作品を出すから、というより、Chakiさんとの作業の中で出てくるものが変わった、ということだったんですね。Novel Core:本当にそうですね。
―特に「Green Light」とか、Novel Coreとしてコンセプチュアルなストーリーやメッセージを紡ごうとする筆致というよりも、どちらかというと「佐竹くん」が出てるような気がして。Novel Core:はははは、本名!(笑) でもたしかに。それでいうと「Green Light」が一番苦戦して。今まで作ってきた楽曲の中にこういう、「ライブでもゆるく揺られて楽しい」みたいなものが意外となくて。ダンスチューンとかR&Bの血筋を受け継いでいるものをここらへんで作っておくのがいいんじゃないかという話をChakiさんからされて、ジャスティン・ティンバーレイクらへんをリファレンスとして聴きながら作りました。でもやったことないアプローチだったので、メロディラインも思うように出てこなくて。やっとメロディがフィックスしたらしたで、このメロディに日本語をどうやって乗っけてくのが正しいのだろうと思って。だから日本語でそういうことをやっているAyumu(Imazu)くんの曲をいっぱい聴いたり、仲良しなので本人にちょっと聞いてみたりしながら、その素養を高めて歌詞を書きました。音からくる印象で歌詞を書いた感覚が一番強いのは「Green Light」かもしれないです。
―今後リリースするときに、「Novel Core」名義で出すのか、「Novel Core & THE WILL RABBITS」名義で出すのか、その違いの基準は決めているんですか?Novel Core:今回はTHE WILL RABBITSの門出でもあったので、最初のシングルはこの名義でやりたいなというのがあって。メンバーに「リリース」を体感してほしいというのもあったかもしれないです。自分たちの作品が世に出たときの反応を見たり、メディアで取り扱ってもらってたり、街中でたまたま流れているのを聴いたり、そういうときの感覚ってライブの反応を見るときとはまたちょっと違うので。今後はNovel Core名義のアルバムに、いろんな人にプロデュースしてもらった曲が入ってる中に「Prod. THE WILL RABBITS」が入ってくる可能性とかも視野に入れてやっていきたいとは思ってます。
―今、Coreさんとしてはどこを見ていますか? 武道館のチケットも売り切れたし、今はどこまでを思い描いているのだろうって。Novel Core:このあいだ、2025年までの中長期ミーティングをチームメンバー全員でやったんですけど、だいぶ明確に決まりましたね。あとは1個1個の地点に向けて、ちゃんと成長しながら、ひたすら積んでいこうかなと思います。改めてゼロイチの感覚で色々やっていきたいです。今、デビュー当初の感覚とすごい似てるんですよ。
―それは「Novel Core & THE WILL RABBITS」を始動したからということですよね。Novel Core:そう、THE WILL RABBITSと一緒に再度スタートを切ることが。だから今回のリリースとかいつもよりそわそわするんですよね。メジャーデビューのときに「SOBER ROCK」を出したときのそわそわ感とちょっと似てるんです。
―この3曲を生み出して、ますますNovel Coreが作る音楽はルーツに根差しながらもいろんなところに広がっていって、もう何やってもOK、という領域にいってる気がします。Novel Core:めちゃくちゃやります。とことん跨いで横断していきたいですね。
―そうなると、メディアとかで「ラッパー・Novel Core」と紹介されることに違和感ありますか? それともそこは背負っていこうという気持ち?Novel Core:どんな肩書きであったとしても全部「Novel Core」に帰着する感覚に、最近はなってきました。ラップやってて、ヒップホップのルーツもあって、ロックもやってて、バンドもいて、ポップスもやって、R&Bもやって、それが「=Novel Core」だなって。自分たちがそうなってきたので、あとは外側の人たちもそう思ってもらえるようにここからやっていきたいなと思います。「これってNovel Coreだよね」と思ってもらえるジャンルを作ることが、今の自分たちの目標かな。肩書きを壊しまくっていくことが大事なテーマになりそうですね。
―また新たな章を開いて、音もパフォーマンスもさらに強くなって、今年来年のフェスで勝ち抜いていくCoreさんの姿が目に浮かびます。Novel Core:頑張らないと。2024年末には「Novel Coreってよく見るよね」となっていたいので。世間への認知度も底上げしたいし、まだ僕のことを全く知らない人たちにも届けられる方法を意識しながら頑張ってやっていきたいです。
Photo by Kentaro Kambe<INFORMATION>
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