アンバー・リウが語る、f(x)で磨いたクリエイティブ精神、自分自身のための音楽

アンバー・リウ

K-POPのガールズ・グループ、f(x)のメンバーとして2009年に韓国でデビューし、今はポップ・スターとしてワールドワイドに活動するアンバー・リウが、日本初となるソロ公演で来日する。

【動画を見る】アンバーのソロ曲「No More Sad Songs」ミュージックビデオ

カリフォルニア出身、中国系アメリカ人のアンバーは、15歳の時にLAで行われたSMエンターテインメントのオーディションで発掘され、韓国に渡ってf(x)のメンバーとしてデビュー。f(x)はK-POPで最も人気のあるグループの一つとなり、BillboardのK-POPホット100とワールド・アルバム・チャートで1位を獲得、各所で高い評価を受け、数々の賞を受賞してきた。ソロとしてのアンバーは、2015年の1stアルバム『Beautiful』がBillboardのワールド・アルバム・チャートで2位を獲得。昨年の「ILY」「Can’t Go Yet」「HARDER (feat. Jackson Wang & Yultron)」「hatemyself」、今年の「Dusk Till Dawn」といった曲では、よりピュアでリアルな自分を表現した、新しいフェーズの音楽を聴かせている。

ーもうすぐ来日しますね。

めちゃくちゃ楽しみ! 日本には去年も少し行ったし、何度もライブをやってきたけれど、今回の来日は私にとっては初のソロライブになるから。前にf(x)で日本に行った時もかなり盛り上がったし、ファンのみんなと直接会えるのをとても楽しみにしてる。

ー今回のソロツアーは、「Amber Liu No More Sad Songs Tour 2024」というタイトルですが、去年リリースしたシングル「No More Sad Songs」から名前を取っていますよね。ツアーにはこの曲にも通じるようなメッセージを込めていますか?

この2年間はアルバムの曲を制作していて、去年はアルバムからの曲を1曲ずつ発表してきたんだけど、この間の私は自分が本当に良いと感じてること、本当に自分らしいと感じてることをずっと探し続けてきた。これは私の5年間の歩みの一部であって、自分のことを人として、アーティストとして理解するために必要な時期だったと思う。私は自分のネガティブな感情と向き合おうと、ずっと葛藤を繰り返してきたけれど、実際には悲しみや怒りといった感情と向き合うことは避けてきた。何年もの間、自分が何を感じてるのかを考える時間を持たなかったし、何かを好きになる時も、自分が好きだからではなく、誰かに言われて好きになることが多かった。でもアルバムを作っていく中で、たとえ悲しくなってもOKだし、怒りの気持ちを持ってもOKだし、自分が自分らしく何かを感じることはOKなんだって思えるようになって。ただ心の中で、自分が努力を続けてるのを知るだけでいいし、自分は諦めないというのを知るだけで良くて。それを自分自身のためにやればいいんだというのがやっとわかってきた。もちろん両親のこと、友達のこと、チームのことも考えるけれど、まずは自分のハートの中から生まれるものじゃなきゃダメだから。今の私は自分のハートに向き合うようにしてるし、やるべきことをやってる感じ。



ーだから去年、今年とリリースした曲では等身大の姿を見せて、自分の中のリアルな感情を歌にしているわけですね。

このアルバムは今までで一番素直に自分をさらけ出したものになると思う。私は以前からずっと曲を書いてきたけれど、今は自分を表現するための言葉がどんどん出てきてる感じがする。私がf(x)で活動を始めたのは16歳の時でまだ子供だったけど、今の私は31歳。昔の私はビッグスターになりたいと思ってたし、音楽は大好きだけれど、成功というものは数字によって決まるものだと思い込んでた。SNSのフォロワーの数とか「いいね」の数をどれだけ増やせるのかが重要だったし、自分がどれだけのお金を稼げるのかが重要だった。でもそれは私にとっては不健康なことで、私としては成功や幸せの基準を考え直して、仕事のプロセスや他の人とのつながりをもっと大切したいと思ってた。もっと自分自身に優しくなりたかったし、他の人にも優しくありたかった。というのも、私が作ってるものはアートだから。時々自分が何者なのかがわからなくなることもあったけれど、この2年間、曲を作っていく中で、私は自分がどう感じてるのかだけでなく、自分が感じてることをどう人に伝えたらいいのか、そういう言葉が見えてきたんだと思う。



ーそうやって自分自身を見出していくのに、何かきっかけとなったことはありましたか?

私はずっとクリエイティブだったと思う。学校でも浮いてたし、変わった子で、孤独を感じたことも多かったし、学校ではけっこういじめにも遭った。それでも自分の中のクリエイティブな部分はなくならなかったし、ある意味、私にとっては居心地の良い場所にもなった。そんな時に、近所に住んでた友達と一緒にギターを練習することになって。彼は今では有名なギタリストなんだけど、彼と一緒にギターを弾いて、私は曲を作って、そうやって他の人と何かをクリエイトすることで、エネルギーを感じられるようになった。人は私のことを外交的だと思ってるけど、本当の私は非常に内向的で。音楽があるから私は会話ができるし、話を続けることができてる。私の友達にしても、みんな深い会話ができる人たちで、その会話のほとんどが音楽のことだったりする。そういう会話が私の人生にエネルギーを注いできたんだと思う。

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