クリストファー・エリスが語る、偉大な父のレガシー、レゲエを歌う理由

クリストファー・エリス

クリストファー・エリスが3度目となる来日を果たす。クリストファーはジャマイカのレジェンド、レゲエ界のゴッドファーザーである、故アルトン・エリスの息子。1982年にイギリスのロンドンで生まれたクリストファーは、11歳の時に初めて父とステージに立ち、その時以来、ソウルフルなラバーズ・ロック、ルーツ・ロック・レゲエ、R&Bを歌い続けて、世界中のオーディエンスに強烈な印象を残してきた。アルトン・エリスの声もルックスも受け継いでいるクリストファーだが、そのソウルフルなボーカルは今の時代のものとして聴かせている。今回の来日は、2022年リリースの名曲「Rub a Dub」をタイトルにしたもので、全国10公演のツアーとなっている。来日前にジャマイカにいたクリストファーをキャッチした。

ー今回で3度目の来日になるんですよね。2014年の初来日の時のことは覚えていますか?

初めての日本は素晴らしいなんて言葉じゃ言い表せないぐらい良かった。MIGHTY CROWNが主催する横浜レゲエ祭に出演したんだけど、モーガン・ヘリテイジとも共演して良いライブになった。クラブでのショーも良かったし、地方に行けたのも良かった。日本のことはずっと父から話を聞いてたんだ。それを実際に経験できたのが良かった。自分の人生で最高の経験の一つになったよ。ヴァイブスも含めてすべてが最高だった。

ーあなたのお父さんのアルトン・エリスは日本で人気があるし、お父さんからいろいろ聞いていたんですね。

父はジャパン・スプラッシュにも出演してたからね。父の時代はニンジャマン、タイガー、シュガー・マイノットといったアーティストもいた。日本から帰ってくるたびに日本の雑誌を見せてくれたよ。記事は読めなかったけど、アーティストの写真を見るのが楽しかった。

ー今回の来日では10公演でライブをやりますが、どんなショーをやろうと思っていますか?

今回はちょっと予想がつかないようなものをやろうと思ってる。いつもとは違うショーだ。みんなは僕がアルトン・エリスの曲をやると思ってるよね。もちろんこのツアーでも僕はやるつもりだ。だけどちょっと違うフレイバーでやりたいんだ。あと、今回はいつもは歌わないような曲もやるつもりだ。そういうのを2曲ぐらい入れる。「I'm Still in Love With You」とかね。とにかくショーに来ればわかるよ。今回はトラックで歌うショーもあれば、ライブ・バンドで歌うショーもある。最近は新しいテクノロジーで、リディムからボーカルを抜くことができるんだ。1年ぐらい前に出来たもので、今はどのエンジニアもこれを持ってる。アルトン・エリスのリディムはたくさんあるだろ? その中には僕が持ってないものもある。だけどそのテクノロジーのおかげで、今まで歌えなかった曲も歌うことができるんだ。オプションが増えたんだよ。



ーバックグラウンドについて聞きたいのですが、どんな子供でしたか?

僕はロンドンで育ったんだけど、ロンドンはカルチャーがミックスしてるところだ。僕のバックグラウンドはレゲエだけど、アッシャー、ジョー、メアリー・J・ブライジも聴いてたし、ソウル、R&Bも好きで聴いてた。僕は他の子供と同様、普通の子供だったよ。ただ父がアルトン・エリスだったから、そこで大きな違いが生まれたね。11歳でケン・ブース、ジョン・ホルトを聴く子供はいないだろ(笑)。だから今の僕の音楽には昔のソウルのフィーリングが入ってるんだ。若いヤツが昔っぽくやってるんじゃなくて、自分にとってナチュラルで正しいことをやってるだけなんだ。あと、僕はサッカーが大好きだった。だから僕は音楽とサッカーが好きな子供で、学校はあまり行かなかった。頭は良かったけどね(笑)。

ー11歳の時から歌を歌っていたのですか?

そうだよ。家の中では4~5歳の時から歌を歌ってた。だけどステージ上で歌ったのは、11歳の時が初めてだ。大きなショーだったよ。ケン・ブース、アルトン・エリス、デルロイ・ウィルソン、ジョン・ホルトが出演してた。ロンドンで行われたショーで、5000人が観に来た。YouTubeにアップされてるから観てくれよ。その日以来、僕は自分がシンガーになると決めたんだ。これは11歳の時からプランしてたことなんだ。

ーその時は緊張しました? それともすでに自信はありました?

もちろん緊張したよ。緊張で胸がざわざわしてた。だけどそれ以上に自信があった。80%が自信、20%が緊張だったね。

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