無意識の差別や偏見「アンコンシャス・バイアス」について考える

このアンコンシャス・バイアスや、潜在的カリキュラムなどによって、日常的に無意識に、悪意なく差別的な言動や行動をしてしまうことがあります。それはマイクロアグレッションと呼ばれます。直訳すると「小さな攻撃」という意味です。たとえば「彼氏(彼女)いるの?」と訊くことは、よくあることかもしれません。しかしこれは異性愛であること、もしくはパートナーが異性であることが前提となっていることが多いのではないでしょうか? 他にも、子どもの家族構成を知らないのに「お父さんお母さんに伝えてね」と言ってしまうのも、「当然父母がいる」あるいは「異性同士の保護者である」ことが無意識に前提となっています。

The1975、Wolf Aliceなどが所属するUKのレーベル「Dirty Hit」から作品をリリースし、2019年のVOGUE JAPAN Women of the Year」にも選出されたロンドン在住のRina Sawayamaさんは、欧米で過ごしてきた日本人の女性として多くの偏見を体験してきたそうですが、シングル「STFU !」では、マイクロアグレッションに対する怒りを解き放つ事をテーマにしています。



マイクロアグレッションを受けた当事者の反応は、端から見ると大げさだと捉えられてしまうことがあります。マイクロアグレッションを無意識に行なっている方は「褒めただけなのに、なんで怒っているんだろう?」とさえ思ってしまうこともあります。たとえば、アメリカで、あるアジア系アメリカ人の大学教授は、学生から「あなたの英語は上手ですね」と言われてしまうことがあるそうです。これは、学生からすると褒めているのでしょうが、そこにはアジア系の人は英語が下手だ」という無意識の偏見があります。こうした小さな差別が蓄積されてしまうと。メンタルに問題を生じてしまうことがあります。

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