スレイヤーのケリー・キングが選ぶ、不滅のメタル・アルバム10作

スレイヤーのケリー・キング、2011年撮影(Photo by Gary Wolstenholme/Redferns)


エクソダス『Bonded by Blood』(1985年)


今回このリストを作るときに自分のレコード・コレクションに目を通していて、「そうだ、エクソダスだ」と思った。今後の人生でずっと聞き続けるエクソダスの作品を1枚選ぶなら『Bonded by Blood』だな。「Shovel Headed Kill Machine」と「The Atrocity Exhibition」が大好きなんだが、この『Bonded by Blood』は全部の曲が本当にいい。「Strike of the Beast」はエクソダスの楽曲の中でも特に気に入っている1曲だ。本当に好きだから、あるツアーでこの曲をプレイしたこともある。

1985年にエクソダスとヴェノムと一緒にアルティメット・リヴェンジをやった。(ヴォーカルのポール・)バーロフとはあまり一緒にいなかったけど、ゲイリー・ホルトとつるんでいた記憶があるし、たぶんリッキー・ヒューノルトもいたかな。まるで同じバンドのメンバーみたいな感じでね。とにかく、俺たちの方が連中よりも断然ダークだったけど、エクソダスとスレイヤーはかなり似たサウンドだったし、似た存在だったし、攻撃的なところもそっくりだった。楽曲も基本的には同じ構成だった。それに、連中はベイエリア(SF)出身で、俺たちがロス出身だったから、兄弟バンド的な感じだったのさ。

『Bonded by Blood』には「Piranha」「Bonded by Blood」「And Then There Were None」のように最高の曲が目白押しだ。全部が成功した曲で、スキップしてしまう曲はゼロ。このアルバムは最初から最後まで聴き通すタイプの作品だよ。




アイアン・メイデン『魔力の刻印』(原題:The Number Of The Beast、1982年)


アイアン・メイデンのアルバムを選ぶのに苦労したよ。だって最初の3枚は同じくらい気に入っていて優劣つけがたい。『魔力の刻印』にした理由は、これがブルース(・ディッキンソン)の最初のレコードで、至るところでみんなのド肝を踏み潰しているからだ。ブルースは彼が感じたアイアン・メイデン的なものを全部ぶっ壊したんだ。もちろんアイアン・メイデンは彼が入る前も最高だった。俺が選んだジューダス・プリーストのアルバムと同じで、これもアイアン・メイデンがその後何十年も続くサウンドを発見した最初の作品だ。

(オリジナル・ヴォーカリストの)ポール・ディアノも好きだった。彼がいた頃の音楽はパンク要素が強かったし、俺はそれも気に入っていたよ。でもアイアン・メイデンをメタルの帝王にしたのはブルースだ。ポールが抜けてからパンク的な要素を少し削ったのかもしれない。だって『魔力の刻印』はメタル寄りのアルバムだから。でも、そういう変化をもたらしたのがブルースだと俺は思う。この作品はヘヴィメタルと呼べるからね。

このアルバムの楽曲はよくカバーしたものだ。「アカシア・アヴェニュー22」なんかをやったよ。「審判の日」にもちょこっと手を出したけど、これは俺たちがライブでプレイしたい曲じゃなかった。俺たちのスタイルとは違うんだ。リハーサルで「魔力の刻印」もやったけど、これもライブでは一度もプレイしていない。

俺は「侵略者」が好きだった。誰かから(ベーシストの)スティーヴ・ハリスがこの曲を毛嫌いしているって聞いたことがあるよ。でも、俺もそれは理解できる。だってスレイヤーでも「ああ、もう、この曲、ウザい」となるものが数曲あるからね。「デザイア」なんて嫌悪しているし、「クレンズ・ザ・ソウル」も大嫌いだ。でも「侵略者」を聞いたとき、「うわっ、この『侵略者』っていいな」となった。そして、スティーヴが毛嫌いしている理由を考えてみた。でも、理由が思いつかなくてね。たぶん、彼はこの曲に近すぎるんだと思う。俺もスレイヤーの曲に近いだろ。それが理由だろうね。スティーヴ、お前の意見を聞かせてくれ。これ、お前が作った曲だぜ。


Translated by Miki Nakayama

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