尾崎裕哉、10年間の集大成的アルバムを語る 父・尾崎豊の存在と「変わり者」の美学

尾崎裕哉



「I LOVE YOU」ではなく「143」

―言葉の話に戻ると、個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲「143」の意味はI LOVE YOUですよね。でもI LOVE YOUを使わないで143というスラングで行くんだと思って(笑)。

尾崎:そうなんですよ(笑)。わかってくれて良かった。



―尾崎裕哉が「I LOVE YOU」というタイトルの曲を作ると意味が出すぎちゃう?

尾崎:そうですね。この曲のアレンジャーのSUNNY BOYと曲を制作している段階から「この曲はI LOVE YOUで行こうよ」となっていて、仮タイトルは「I LOVE YOU」だったんですよ。でもサニーも直接的じゃない方が良いっていう僕の思いも察してくれたというか、歌詞を全部書き終わっていないタイミングで「143って知ってる?」ってサニーから言ってきて、「あ、それいいね」ってなったんです。ポケベル時代のスラングなので今の世代は使わないかもしれないけど、俺とかもうちょっと上の人で、帰国子女的な人だったらある程度分かる言葉ですよね。

―やはり意識はしたんですね。

尾崎:「I LOVE YOU」って1stアルバム『十七歳の地図』の3曲目に入ってたんですよね。だから俺もアルバムの3曲目にぶつけてやろうかなって最初は思ったんです。でも他の曲の並びとかもいろいろあって、後ろの方になっちゃったんです。でも本当は「143」はメイン級というか、すごく良い曲だから、もうちょっと上にしてあげたかったんです。けど、全体のバランスを見てラス曲前になりました。

―曲順に関係なく良い曲です。キュンキュン来ました。

尾崎:ありがとうございます。ギターに関してもホーンセクションをモチーフにしたギターを弾いているので、J-POPの中でやっている人はいない感じの演奏になりました。ジョン・メイヤーの影響をそういうところで出せたのも俺的には嬉しかったです。

―それと尾崎裕哉の代表曲ともいえる『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』主題歌「Glory Days」(2017年リリース)も収録されているのも嬉しいですね。



尾崎:回想がテーマでもあるので、自分のキャリアのターニングポイントの一つになった曲だから、これは入れたいなっていう思いだったですね。蔦屋好位置さんと一緒に書いたアップテンポな曲もいいし、これまでの全ての感謝も込め入れさせてもらったって感じですね。

―当時はどんな思いで書いたのですか? そしてあらためてどんな風に響いていますか?

尾崎:この曲はエウレカセブンの主題曲って最初から決まっていたので、それを意識して書いた部分があります。作詞はいしわたり淳治さんと一緒にやっているものあり、どこか自分の曲じゃないみたいな意識もあったんですよ。クライアントのために書いてるみたいな。でも、この曲が多くの人に受け入れられていく中で、自分が何回も何回もライブで歌っていく中で、自分のものになったなって感じがすごいしていて。だから今はより素直にこの曲を歌えている気がします。誰のために書いたとかそういうことじゃない、単純に良い曲だなって自分でも思えるし。自分が歌うべき曲かなって思える。だから完全に受け入れましたね、この曲を。

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