チャーリー・ワッツから感じるロックンロールのリズムの成り立ち、鳥居真道が徹底考察

「やはりMONOで聴きたく…」



ロックンロール勃興期のアンサンブル状況にあっては、こうしたスウィングとイーブンの混在がよく見られました。たとえばリトル・リチャードやチャック・ベリーが演奏するピアノやギターのイーブンの刻みに対するバンドのスウィングといったものが挙げられます。いわゆる細野晴臣いうところの「おっちゃんのリズム」の世界です。



リンゴ・スターやチャーリー・ワッツといったロック第一世代のドラマーたちはジャズ・ドラマーに憧れた人が多く、ハネない曲を演奏していてもスウィングする感覚が残っており、まさにそのハイブリッドな感覚こそがロックンロールのロールの部分であるとスティーブ・ジョーダンが指摘しています。

ストーンズのデビューシングル「Come On」はやはりチャック・ベリーのカバーでした。この曲でのチャーリーのドラムはまさにイーブンとスウィングの混在を地でいくものと言って良いでしょう。

初めて聴いたときは、なんて疾走感なんだ!と驚いたものですが、今聴いてみるとアグレッシブに突っ走るハイハットに対してキックが妙にのほほんとしているように感じられます。それはおそらくキックがほんのりハネているからではないでしょうか。ハイハットをリトル・リチャードのピアノやチャック・ベリーのギターに、キックとスネアをバンドのハネた演奏に例えることができると思われます。

ベル・ワイマンのベースもドラムに合わせてハネとイーブンを行ったり来たりするようなタイム感で演奏しています。ちなみにチャック・ベリーの原曲のほうはドラムのスネアワークが光るパターンで、行きつ戻りつというようなグルーヴとなっています。これは突っ走るようなアレンジを施したところにストーンズの新味があったといえます。本当に癖になるようなリズムです。同様のアプローチは、チャック・ベリーがボビー・トゥループの「Route 66」をストーンズがさらに孫カバーしたバージョンにも見られます。

Rolling Stone Japan 編集部

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