「ツタロックDIG LIVE Vol.8」2年振りの有観客開催、11組のバンドが魅せた圧倒的熱量

1番手に登場するのはリュックと添い寝ごはんだ。この日登場するバンドのなかでもゆるやかなムードを放っているバンドで、長丁場なこの日のイベントにはピッタリだろう。ブカっとした服装で「くだらないまま」や新曲「東京少女」を披露した。彼らというとどこか牧歌的なグルーヴとムードが漂うが、ベース&ドラムのボトム隊の安定感ある演奏に、ギター&ボーカルの松本のソフトタッチなボーカルは、20歳前後とは思えぬ魅力に満ちている。11月21日にはLIQUIDROOMでのワンマンを控えている彼ら、トップバッターとして大きな存在感を放っていた。


リュックと添い寝ごはん

2番手に登場したのはバイリンジボーイ、2019年11月8日に結成され、ギターボーカルの梅林寺連太郎の名を冠したスリーピースバンドだ。「こんな早い時間に来てくれてありがとう。熱いのはダサイなんて言われそうだけど、熱くなれないヤツの方がダサイぜ」と梅林寺はハッキリと言葉にし、リッケンバッカー独特の芯のあるギターサウンドと自身のボーカルでフルに活かしたライブを見せつける。この日のライブ序盤の勢いづかせるパフォーマンスを見せてくれた。


バイリンジボーイ

「熱くなれないヤツの方がダサイぜってさっきMCされてましたけど、全く同感です」と、3番手に登場した時速36kmのギターボーカル仲川はライブ中に語った。東京都練馬区江古田を拠点にする時速36kmの音楽は、小細工無用と言わんばかりのパワフルさが常にある。ドラムス松本のパワーヒッターなドラミングに支えられながら、仲川の力入った歌声は、裏返り、かすれ、叫びになり、どこか泥臭い。心の歪みをストレートに表現するような彼のボーカルに、ギターノイズとどことなくヨれるアンサンブルは、まさしく「エモ」と称するに相応しい。


時速36km

Rolling Stone Japan 編集部

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