Natural Lagが語る、ソロプロジェクトが「バンド」に変わった瞬間

―そんなお三方から見た想太さんの印象も聞かせてもらえますか?

福田:僕から見た想太くんは、最初は「僕らにすごく気を遣ってくれるな、丁寧だな」という印象がいちばん強くて。それから一緒に活動してきて2年経って分かったことは、ただ丁寧なんじゃなくて、物事をよく考えて「これは今このタイミングで言うべきだな」みたいな感じでひとつひとつのことを判断していく人なんだなって。あと、バンドって良い意味でちょっと泥臭いところもメンバー間で必要だと思うんですけど、想太くんは日頃の鬱憤とかを僕らにちゃんと素直に聞かせてくれるんですよね(笑)。なので、想太くんもよく「Natural Lagでは、もっとパーソナルな部分を出していきたい」と言っているけど、それを僕らの前でちゃんとやってくれているのが嬉しいなと思います。

花村:僕はとにかく仲を良くしたいんです。その仲の良さって絶対に音楽に出るなと思っていて。あと、全員がこのバンドに責任感を持てるようにしたいんですよね。僕は責任感って持ちたくても持てないなと思っていて。どんなに「やれよ」と言われても持てるもんじゃなくて、でも「やりたいな」「このグループの為に生きたいな」と思えたときに持てるモノ。それって才能だと思うんですけど、全員がそう思えるグループになったらいいなと思っています。

―続いて、アベさんから見た想太さん。

アベ:最近は4人で意見を出し合うことがすごく増えて、今回のミニ・アルバム『Natural Awake』もそうしたコミュニケーションの中で生まれた作品だと思うんですけど、想太くんは必ず僕らに1回投げてくれるんですよね。自分が「こう思っているよ」と言う前に「どう思う?」と聞いてくれるから、こっちも発言しやすい。その意見が通っても通らなくても、そこはみんな大人だから揉めたりはしないんですけど(笑)、そうやってあらかた意見が出揃った後に「自分はこう思う。誰のアイデアが良いと思う?」みたいな感じで進めてくれる。このバンドを組んでくれたのは想太くんなので、自分が先に意見しちゃうとトップダウンで物事が進んでいってしまうと理解してくれているんだと思うんですよね。僕らもサポート経験が長いから様子を伺っちゃうところはあるんで。なので、そうやって我々の意見を汲み上げてくれるのは嬉しいし、本当に発言しやすいですね。

―フロントマンがエゴを貫く形もバンドではよくあるパターンですけど、本当に丁寧にバンドづくりをしているんですね。それが音楽にも表れていると思いますし。

アベ:人間同士の関係値を高める。それが想太くんの根底にあるんだと思います。

花村:僕はやりたいことがしっかりヴィジョンとしてあるので、ワンマンでやろうとしても出来ちゃうとは思うんですよ。でも、それは僕にとってはすごくリスキーだし、僕の意見しか出さないまま進んでいくのであれば「バンドじゃなく花村想太ソロでいいんじゃない?」と思うし、そういうチームにしたくないなと思ったんですよね。なので、結成当初からワンマンではやりたくなくて、みんなの意見を聞きたかったんですけど、意見を直接聞きやすい環境じゃなかったり、それゆえにどこまで話が通っているのか分からなかったりもしていて。僕がどうしたいか聞かれて意見したモノが決定事項として通されちゃっていたんです。それに僕もビックリしていたんですけど、レーベルをエイベックスに移籍してからは、元々マネージメントはエイベックスだったこともあって「メンバーともっと近い距離で活動したい」という方向性を理解してくれて。

―そんな経緯もあったんですね。

花村:なので、僕からするとメンバーと意見交換しながら活動できている今の形のほうが理想なんです。もちろん「ここは譲れない」みたいなモノはあるんですけど、基本的に4人で話し合って決めたモノがベストだと思っていて。例えば、僕ひとりが「これがいい」と言っていても、3人が「いや、こっちだ」と言ったら僕は3人の意見に乗っかるようになっている。そうしたほうが想定外の面白いモノは生まれやすいし、自分ひとりが感じる「良さ」って固定概念の集まりだと思うんで、それだけで成立させようとしちゃうとエゴでしかないモノになっちゃうんですよね。そういうチームになったらイヤだし、それをやるならひとりで活動するべきだし、このバンドを大きくしたいのであれば、今の構築の仕方がベストなのかなって。

―バンドである以上、グルーヴが命になるわけですし、そこを無視しちゃうとただ鳴っているだけの音になっちゃいますからね。続いて、Louisさんから見た想太さん。

Louis:最強のバイタリティを持った生物です。

―生物(笑)。

Louis:凄いエネルギーに溢れていて、本当にとんでもないスケジュールをこなしているんですよ。そんな中でNatural Lagの曲も作っていて、例えば「この曲の歌メロが欲しい」と伝えると「全部終わって家に帰ってからやりますね」みたいな感じで、朝からDa-iCEのメンバーとして活動しているのに深夜にデータが送られてきたりするんです。でも、本人はそれでも全然へばることもなく、毎日ちゃんとパフォーマンスしたりしていて「身近でこんなに凄い人いないかもな」って。本当に尊敬しています。僕は寝ないとダメな人なので、なんでそんなにエネルギッシュに活動できるのか秘訣を教えてほしいぐらい。今、Da-iCEがどんどん世に出ていっていますけど、そうなるべくしてなっているんだなと思いますね。近くにいると、こっちもエネルギーをもらいますし、こんなにまわりに良い影響を与えられる人ってそうそう出逢えるもんじゃないから、おかげさまで毎日刺激的です。本当に太陽みたいな人だと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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