田家:アルバムの7曲目「ガンダーラ feat. タケカワユキヒデ」。これはいいっすねー。
ミッキー:これも亀田さんが2人きりでやってくれと、余計なアレンジなしで、音も入れずにピアノの歌だけで。
田家:亀田さんがそうおっしゃったときに、ミッキーさんは「持つかな」と言われた。
ミッキー:実は、他で話してきたことで修正したいことがあるんですけど、タケカワと2人でやるのは初めてじゃなくてね。タケカワの最初のアルバムで「PRETTY WHITE BIRD」という曲があって。
田家:『走り去るロマン』?
ミッキー:そう。エレピと歌だけでやっているんです。そういう意味では完全に2人の最初に戻ったんだろうなと、今思っています。
田家:あのアルバムでそんなことやってらっしゃったんだ。
ミッキー:忘れてたんだけど、初心に戻ったんだ2人ともって感じがすごくしてますね。
田家:しかもこれがデータのやり取りだったというのはびっくりしました。
ミッキー:テンポも思うように弾いて、タケカワに送って、「ちょっとテンポ遅いかなと思ったんだけど」って言ったら、「バッチリだ」って言うから。それが歌が入って返ってきて。ピアノをちょっと直したところもありますね。
田家:あらためてガンダーラってこんなに哀愁のある曲だったんだと思いました。
ミッキー:そうですね。2人とも歳を取ったからかもしれないけど、すごい哀愁ですよね。
田家:しかもタケカワさんの声も哀愁、オリジナルとは全然違う聴こえ方がして。
ミッキー:最近もよく一緒に配信をやっているんですけど、これはすごい丁寧に歌ってますよ。一生懸命やってくれたんじゃないかなと思いますね。
田家:ゴダイゴ45周年の公式本の中で、ミッキーさんがタケカワさんの声に対してお話をされているところがあって、お酒を飲んでない人にもいけるような声だと思った。
ミッキー:そうそう。僕の周りを見ると、カップスもそうだけど、柳ジョージとかもいて。みんなお酒を飲んでいるときに気持ちいい歌を歌うのばっかりだったんですよ。でも、最初にタケカワに会ったときにニュートラルなところで作品づくりができるんじゃないかと思いました。ある程度声が低い成分を持っていて、ひばりさんもそうだし、ちあきなおみさんとか、いろいろな人はかなり低いじゃないですか。あれって意外と心地よく人の耳に入るんじゃないかな。タケカワの声のそういうところが好きだったし、彼は作曲能力も評価できた。本当は自分のオリジナルって興味なかったんです。ただいい曲をやろうとか、そういうイメージがあって。当時は歌詞カードをいっぱい持ってきたんだよね。アメリカから帰るときも、ストーンズの曲とか何しろいいと思う曲の歌詞を全部持ってきたりした。
田家:歌詞を持ってきたんですか!? 楽譜じゃなくて。
ミッキー:うん。当時は手書きで書くじゃないですか。それをみんなにもらって、持ってきたんですよ。そういう意味でオリジナルにこだわってなくて、ただバンドをやりたかったというのがあったんですね。で、ここにぴったりタケカワがハマったんです。
田家:1番ニュートラルでいろいろな世代に響く歌ではないか。「ガンダーラ」は日本語盤も出ているんですけども、やっぱり英語の方が「ガンダーラ」らしいのではないかということで、オリジナルのシン・ミックスをお聴きいただきます。