ミッキー吉野本人と語る、アルバム『Keep On Kickin' It』



田家:シン・ミックスでこんなにリズム隊が気持ちいい曲だったんだと思ったりしたんです。

ミッキー:これはバッチリ。シン・ミックスで出てきているんですけど、やっぱりヒットを狙ったんですよ。

田家:ヒットの方程式がこの曲にはあるんだっておっしゃってましたね。

ミッキー:それまで3年ぐらいかかっているんです。ここはなんとかヒット出さなきゃと思って。このアレンジにしてもダンヒルサウンド、要するにフォーク・ロックで行こうと思った。ママス・アンド・パパスとかPLスローンとか、リズム隊の大事なところはベース音の長さとか、歌が入るときにちゃんとパツンとする。本当にここは気をつけた。これは嫌がられるほどリズム隊2人言って、今回はそれがバッチリ出てますよね。

田家:オリジナルってあまりそういう聴こえ方がしなかったような気がしたんですよ。

ミッキー:ベースの音の長さが出て、あとは12弦っぽい音がいっぱい入っていると思うのですが、これは単純に「夢のカルフォルニア」も12弦だし「長い髪の少女」も12弦だし。ワイルド・ワンズの「想い出の渚」も12弦。琴線に触れるんじゃないかと思って、使いたかった。

田家:アジア志向の決定打になったわけですけど、英語と日本語は最初から英語で行こうというのがあったんですか?

ミッキー:奈良橋陽子、それからジョニー野村がプロデューサーだったので英語圏に慣れている人が多かったんですね。

田家:奈良橋陽子さんがいたから英語になっているところもあるんですね。

ミッキー:彼女の英詞で1番「ガンダーラ」が好きなんです。〈A beautiful land still waits for few〉と言って、beautiful landはまだあると。それは誰がそこに到達するかということじゃないですか。ちゃんと魂を求めた人がそこに行けるんだというふうに僕は思っているんだけれど、この詞はすごく素晴らしい。自分が音楽を作っていくときの基本になる詞なんだよね。アートの基本でもあるだろうし、これを英語でどうしてもタケカワに歌ってもらいたかった。

田家:そういう曲が中国で最初にコンサートをやる日本のバンドという形で届きました。ネパールでも建国以来、初めてのロックコンサートが行われました。

Rolling Stone Japan 編集部

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