バイきんぐが語る、パンクなお笑いと「キャバレー」のこと

ーコンプライアンスが厳しくなって社会的価値観も変わっている中、メイド喫茶のネタは、西村さんが料理が全部おいしいというズレが笑いにつながっていて、今の時代とマッチしている感じがしました。価値観の移り変わりとネタの整合性は考えられているんですか?

小峠:そんなに難しくは考えてないです。あのネタは、メイド喫茶の飯がうまかったらおもしろいよなって入り口から作ったんだと思います。



ー「道」は、西村さんが同じ道を何回も行ったり来たりするという、藤子・F・不二雄の漫画感もあって不思議な感じがしました。

小峠:ずっと道に迷っているやつがいたらおもしろいよなっていうところから始まったネタですね。それが、実は道に迷っているフリをしていたら、もっとおもしろいねって。

西村:あれのネタ合わせがめちゃくちゃ大変で。本番は舞台セットの裏を通って戻っていくんですけど、ネタ合わせの会議室ではそれができなくて。何回も何回もぐるぐる回る設定で、いま何回目かってだんだんわからなくなってきて。本当に迷うって感じでした。

ー小峠さんは西村さんの演技に関して、どんなリクエストをされるんでしょう?

小峠:テンションを伝えることが1番多いんじゃないですかね。そういうテンションじゃないとか、そこはもうちょっとローテンションでとか。あと、間ですね。

ー「立ち読み」はすごい斬新でした。

西村:はははははは! あれ、よく実現できたなって思います(笑)。相当舞台監督さんも頭を悩ませたと思うんです。いかに暗転の時間を短くするかというところでリハーサルで何度も試行錯誤して、本番が始まってからもリハーサルより暗転の時間が短くなりましたから。

小峠:1回暗転を挟んで、明転になったときに、西村が勃起の力を利用して立ち読みしているって設定なんですけど、明るくなった瞬間めちゃくちゃうけると思ったんですけど、2日間とも思っていたほどうけなくて(笑)。

一同:ははははははは!

小峠:分からないなと思いましたね。めちゃくちゃうけると思ってたんですよ。明転になったらずっと勃ってたち○こを利用して水平になって漫画を読んでいるんだから。

西村:コマみたいにね。

小峠:1日目は暗転まで結構時間がかかったんですよ。ワイヤーで西村を吊るしているんですけど、その練習をしていなかったから、2日目に集中的に練習して。もっとワイヤーをギリギリまで下ろせないかとか、ワイヤーをつける人をもう1人増やしたり。初日は2分ぐらいかかったのに、2日目は20秒ぐらいまで短縮して。これはうけるだろうと思ったけど、そうでもなかった。暗転時間が長すぎるっていうのは関係なかったんだなって。

西村:関係なかったよね。

小峠:俺らの感性のズレだよねとしか言いようがない。あのネタの前まではうけてましたからね。あそこがうけなかったということは、そうでもないんでしょうね。

ーこうやって1個ずつお伺いしていくと、パンクな感じがありますね。

小峠:今なぞっていくと、そうですね。もうこれ以上のパンクな内容はないような気がします。

Rolling Stone Japan 編集部

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