「ツタロックDIG LIVE Vol.10」開催、次世代を担う10組のバンドが生み出した熱気

MASSIVE STAGEの一番手に登場したのは、オレンジスパイニクラブである。音楽配信ストリーミングサイトの総再生回数が1.5億回以上を超えるヒットソング「キンモクセイ」で注目を集める彼らだが、それもまだここ数年の話でもある。1曲目で早くも「キンモクセイ」を披露すると、そこからは朗らかなイメージとは違った声色のスズキユウスケのボーカルが軸となってライブを支配していく。


オレンジスパイニクラブ(Photo by 大橋祐希)

柄シャツ、黒のパンツ、片足をあげてギターをかき鳴らしては歌っていくスズキユウスケの姿は、バンドマン然としたムードを漂わせる。とはいえ決して野蛮で攻撃的なわけではなく、スムースかつ朗らかに歌い上げることもできるあたりに、このバンドの懐深さを見ることができる。

「今度ワンマンツアーをやります。いいなと思った人はぜひ来てください。カッコいいんで、俺たち」と語った言葉には、どこにも女々しさなどはない。これからを見据える男の覚悟が垣間見えた。筆者は福島県いわき市出身、北茨城やいわきとも縁深い彼らにはやはり期待したい。

ドラムの前で拳を合わせ、一気にドンッと音を合わせて「さよならロングヘアー」からスタートしたペルシカリア。


ペルシカリア(Photo by 大橋祐希)

彼らの中でも最もクールでパンチ力ある1曲でフロアを掴むと、遮二無二になって歌い演奏していく。本来ならキレイで冴えのあるギターサウンドで聞き惚れさせるバンドであろうが、ギターの弦が途中で切れてしまうほどに勢い任せだったのは印象的だった。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE