「ツタロックDIG LIVE Vol.10」開催、次世代を担う10組のバンドが生み出した熱気

前回の東京開催となった「vol.8」から続いての出演となったヤングスキニー。「前回やった時はあっちでさ、嬉しかったけど、悔しさもあった。今回はこっちで出れると知って嬉しかった。応援してくれる人のおかげです、ありがとう」と途中のMCで感謝を述べたボーカルのかやゆー。


ヤングスキニー(Photo by 大橋祐希)

今年8月で結成2年目、前回からはその姿も変わったと真っ先に感じた。力みが一気に取れたバンドアンサンブルに、かやゆー。の細めでアクの少ない声がスっと耳に入ってくる。3曲目「コインランドリー」は8月10日にリリースする新曲だが、チルいシティポップな1曲に仕上がっており、そこから「東京」へと繋がっていく流れは、孤独と寂しさに揺らぐ心の機微を丁寧に描き、聴く者を引きずり込んでいった。

「男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」。まさにその言葉通り、変化した彼らを見た。

COSMIC STAGEの2番手にあがったのは、プッシュプルボットの代役として出演が急遽決まったmoon dropだ。7月末にリリースしたばかりの新曲「ボーイズアンドガールズ」からスタートし、テレキャスターのヌケの良い音と爽やかな歌い口で観客の視線を奪っていく。


moon drop(Photo by 大橋祐希)

三重県伊勢市出身の彼ら、MCをすると若干訛りのある口調で語りかける。「色んな街、色んなバンドと音楽を、ライブをしてきた。それだけのバンドです、今日もそれをするだけです」「時間があったからライブに出るじゃ意味がない、たまたま東京におったからライブに出るだけじゃ意味がない、プッシュプルボットに負けないライブをしにきました!」

今年1月には自身初めてのフルアルバムを発表したばかり。勢いに乗る彼らのライブは、昂ぶる感情を込めつつ、丁寧な手つきで表現される。「アツいけどもクールに」そんな相反性は、このシーンで活躍するバンド陣の質感をそのまま投影するかのようであった。

Rolling Stone Japan 編集部

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