「ツタロックDIG LIVE Vol.10」開催、次世代を担う10組のバンドが生み出した熱気

2022年3月に全員が高校を卒業したばかり、まだ20歳にも満たないという4人組バンド・ケプラ。「Vol.9」から引き続きの出演となった彼ら。「春がすぎたら」を1曲目を鳴らした瞬間から、熱を帯びすぎることなく、涼を取り過ぎることのない、朗らかとした4人の姿がそこにはあった。


ケプラ(Photo by 大橋祐希)

上下ともにダボっとしたオーバーサイズ気味な服、スニーカーやブーツを履いておらず、2人はソックスのまま、もう1人はサンダルでステージの上で音楽を奏でる。ルーズでだらしなく見えるが、それゆえにゆったりとした楽曲がバッチリと映えてくる。

スウィング風なビート、締まった8ビート、どんなビートのなかでも目立つ朗らかな歌い口やメロディラインが会場を魅了していく。16歳のときに作ったという「16」から新曲として披露した「剣」へと移った最後の2曲、そこで描かれた彼らの姿は年齢を重ねてもブレない純真さがあった。

Bye-Bye-Handの方程式は、この日のなかでも最もタイトにロックサウンドを奏でつつ、もっともアクシデントに見舞われたバンドであったと思う。ほどよく歪んだギターサウンドとライトハンドタッピングを挟みこんだギターロック、狭いステージでも左右に動く3人。


Bye-Bye-Handの方程式(Photo by 大橋祐希)

であったが、2曲ほど演奏したところで「スネアドラムが破れました!」とまさかのトラブルで一旦ストップ。MCをうまく回す中で「今日、数日前にギターの茅津がコロナになりまして、別バンド(peeto)のギターが代わりに入っています」と一言。事情を知らないお客さんもさすがに驚きの声を漏らしていた。

「トラブルばっかだけど、これがライブって感じだな!」と声を上げると、そこからは全力疾走で駆け抜けていった。踊る・騒ぐといったフィジカルに訴える以上に、トラブルをもろともしない強い感情で観客を揺らしにいくライブとなった。

Rolling Stone Japan 編集部

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