吉田拓郎の音楽人生の締めくくり方、60代以降の楽曲とともに歩みを探る



2014年に発売になったアルバム『AGAIN』の中の新曲「アゲイン(未完)」でした。セルフカバーのアルバムだったんですが、この曲だけ新曲だったんですね。このアルバムの後にツアーがあったんです。「吉田拓郎 LIVE 2014」。ここで「アゲイン(完)」という曲が披露されました。つまり、今お聴きいただいた曲にはなかった2番の歌詞が付け加えられておりまして、そこには「僕らの夢は 想いのままに 歩き続けて 行っただろうか」「欲しかったものたちに 届いたでしょうか 走り抜ける風を つかめたでしょうか」という歌詞があって、一番最後に「僕らは今も自由のままだ」という歌詞が付け加えられてたんですね。この「僕らは今も自由なままだ」っていう言葉にライブを聞きながら感動した覚えがあります。

2014年、当時は公になってなかったんですが、喉に異物が発見されて、2ヶ月間抗がん剤治療をしていた時期があったと後になって明かされるんですね。2014年のツアーの「流星」で彼は涙ぐんで歌えなくなってしまうんですけど、そういうこともあってそうなったのかと後でわかった。なかなかそういう話をしない人でもありますね。

2016年、2019年とツアーを経て、今年の6月に発売になったオリジナルアルバムが『ah-面白かった』。初回盤にDVD が付いてまして、インタビューが載ってるんですね。そこのインタビューの中で、「このアルバムが最後ですか?」と聞かれて、 拓郎さんは「うん」と答えております。このアルバムを一緒に作ったのが、音楽人生の最期を共にしている武部聡志さんと鳥山雄司さん。2人がプロデュースアレンジ。そしてKinKi Kidsの2人、篠原ともえさん、小田和正さんという人たちが、いろんな形で参加しております。KinKi Kidsの堂本剛さんがアレンジとギターを担当した「ひとりgo to」、そして小田和正さんが一緒にコーラスをしている「雪さよなら」、2曲続けてお聴きいただきます。





吉田拓郎さんのアルバム『ah-面白かった』からKinKi Kidsの堂本剛さんがアレンジとギターで参加した「ひとりgo to」、そして小田和正さんがコーラスで加わっている「雪さよなら 」。KinKi Kidsと小田さんですよ。KinKi Kidsとの出会いは拓郎さんの人生を変えたということでしょうね。LOVE LOVE ALL STARSで会って、若い世代の代表と初めて心を開いて会話ができた。心を許しあえた、信頼し合えた。そういう2人だったんでしょうね。堂本光一さんは、今回のアルバムの題字を書いています。そういう意味では最新の人間関係、それが KinKi Kidsの2人、そして篠原ともえさんだった。

Rolling Stone Japan 編集部

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