吉田拓郎の音楽人生の締めくくり方、60代以降の楽曲とともに歩みを探る



FM COCOLO J-POP LEGEND FORUM、アーティスト活動に終止符を打つと表明した吉田拓郎さんの軌跡をたどる5週間、今週は最終章をお送りしました。流れてるのはこの番組のテーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

自分の人生、アーティストにとって音楽人生をどう締めくくるか。ファンの人たちも含めて、そういうことを考えざるを得ない年齢に差し掛かっている中で、拓郎さんが一足先にこういう形を見せてくれたわけですね。今までも、いつの時代もずっと僕らの先を歩いていた。拓郎みたいに生きたいと思った方がたくさんいらっしゃったわけですが、そういう存在としてまだあり続ける、そんなアルバムなのかもしれませんね。

最後のアルバム。これはもう年齢的にどうなるかわかりませんからね。歌いたくても歌えないときもいつか来るんでしょうし、DVDのインタビューの中で言ってた、シャウトできるときに終わりたい。シャウトできなくなったら吉田拓郎じゃないんだということが、最後という決断をさせてる理由ではあるんだと思うんですね。今までも、このアルバムで終わってもいいという音楽人生を過ごしてきたんではないかなと思っておりまして、何度か最後という言葉を口にしたこともありました。でももし体力的な問題がなければ、この先もあるんではないかなと思ったりもしてるんですね。「ah-面白かった」と思ったんだけども、もっと面白いことがありそうだと思えたら、最後にならないんではないか。もちろん体力的なことがあるんで、やれなくなることがありますが、アーティスト活動という縛りがなくなると、自由な1人のミュージシャンということですからね。責任も軽くなるし、フットワークも自由になるし、もっと音楽を楽しめる。こんなに音楽の好きな人とは思われてないかもしれないですね。

拓郎さんは史上最も傑出していた人であり、同時に最も誤解されてる人なんじゃないかと思ったりもするんですね。そういう僕らも、ちゃんと吉田拓郎という人を受け止めてこれたんだろうか、理解できているんだろうかということには、まだ答えが出ませんが。ひょっとしてこの先まだ自由な活動というのが見られるかもしれないなと思いながら、最後のアルバムを聞いてみてはどうでしょうか? それまで僕らも元気でいましょう。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
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Rolling Stone Japan 編集部

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