甲田まひるが語る、矛盾のなかから湧き上がる創造性

今回のインスピレーションの源はダンス

—甲田さんは楽器のプレイヤーでもあるわけだから、ミュージシャンシップが高いからこそ、迷いはじめると答えが出ない部分もありそうですよね。

甲田:ほんとにもう、こだわっちゃうと終わらないんですよ。

—そこはどっかでラインを引かないと。

甲田:そうですね。これだったら大丈夫だなってところまではもちろんやるようにはしてるんですけど、判断力もつけないとダメだなって思います。そこはもっとたくさん経験していかないとわからないかなと思って、悩みまくってますね(笑)。

—でも前作に比べて、手応えはあるんじゃないですか?

甲田:そうですね。特に「ごめんなさい」は理想のサウンドになってて。自分の中では手応えを感じてます。

—オフィシャルインタビューによると、ダンスレッスンにも力を入れていたそうですね。以前はピアノだけだったのが歌やダンスも加わって、アウトプットがたくさんあることが自分のクリエイティブに影響していると思いますか?

甲田:歌うなら絶対ダンスボーカルって決めていたので、「California」のときからダンスも練習しています。「夢うらら」の“Vogue”のパートが生まれるきっかけはもダンスのレッスンでヴォーギングを教わったことだったので、インプットできる場が増えてるなって感じます。今回は踊りたいジャンルの曲を書いたことから始まったので、それは確かに表現する幅が広がったからだなってすごく感じてます。

—もともとピアノでリズムを捉えるトレーニングもしてきたから、身体で表現することにも活かせてるんじゃないですか?

甲田:習ってはいなかったんですけど、幼稚園のときもラブアンドベリーを真似して踊ったり、お遊戯会でもダンスは大好きでした。あとは運動会でソーラン節を踊ったときに、「自分、ソーラン節うまいな」ってなって、ダンスやりたいなってずっと思ってて(笑)。難しいですけど、確かに音楽やってたからっていうのは多少あると思います。

—「裏で刻んで」とか「三連で」とか言われても、音楽をやっていないと、なかなかその感覚を掴むのは難しいじゃないですか。

甲田:そうなんですよ! 最初は無理ですよね。よかった、やってて。

—「夢うらら」のミュージックビデオでも、レッスンの成果が出せたんじゃないですか。

甲田:本当ですか? ありがとうございます!



—一般的に「夢」っていうと、幻想的でカラフルな感じをイメージしがちだけど、ああいう白と黒を基調とした世界観もかっこいいですよね。

甲田:うれしいです。確かにちょっとイメージとギャップがあるかも。ファンタジーというよりはメッセージ性のある曲だと思ってるので、画がある意味シンプルなことで、そこがより伝わったらいいなと思ってます。

—“Vogue”のパートも、映像で見ることで伝わってくる部分はありますよね。

甲田:そうですよね。あそこは特に歌がないので。映像が同時に入ってこないとイメージしづらいと思います。MVが出て、やっと出せたって感じはありますね。そのためにファッションとかヘアメイクもこだわってるので、ぜひそこを見てほしいです。

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