TERIYAKI BOYZⓇが語る、復活ライブの舞台裏、世界の「TERIYAKI」ブランド

「TOKYO DRIFT」秘話

ー「TOKYO DRIFT」もともとこの曲ができた当時の経緯やエピソードを話してもらっていいですか?

WISE:最初は『ワイルドスピード』(Fast and Furious)の主題歌にTERIYAKI BOYZ ®どう?っていうのをファレルがNIGO®さんに聞いたところから。NIGO®さんからどうですか?っておりてきたのが確か最初です。

ILMARI:NIGO®さんから聞いたのが、ファレルがあのトラック作っててTERIYAKIのラップ入れようって急に思いついたらしいような。



ーあの映画については当時ご存知でした?

RYO-Z:『ワイルドスピード』自体は知ってました。

WISE:リリック作る前は何も観てない。こういうスタイルの映画なんだってのは知ってたけど、それを日本で撮るっていう情報だけで、何にも映像とかは見てなかったですね。

RYO-Z:もしトレーラーとか見てたりしたら、もっと走り屋の曲みたいになってたと思うんです。でも全然関係ないこと言ってるから(笑)。東京の遊園地感じゃないけど、東京面白いよみたいな感じになったのがよかった。
 
ILMARI:結構急に決まって急に締め切りが来たんだよね。2日か3日とか、ほんとそういう感じで。
 
RYO-Z:スタジオでマットさん(ディレクター?)に、3日間で返せれば参加できるけど、返せるよなって言われて。あ、がんばります、みたいな感じだったのを覚えてる。

ILMARI:いきなりきて、いきなりな締め切りだったんで。みんなでスタジオでああでもない、こうでもないって感じだった。エイミーに喋ってもらうところとか、「私はあなたの車素敵」とか、もしかしたらヒップホップ好き、古くから知ってる人とか「私はトキオ好き」とかフレーズ知ってるかな?みたいなので入れたんだよね。

RYO-Z:逆輸入的なフレーズだよね。Funky Four Plus Oneのアルバムの最後の方に入ってた。それを僕らのヒップホップの先輩であるキミドリさんが逆輸入してやったりして、いいよね、この感じ。俺たちに合うよねって。最初のころに使いだした。

WISE:エイミーは元々、風の人という、うちらのクルーにいた女の子で。今カナダ住んでるんですけど。キャラが良いから、ちょっとココで喋ってよって。しかもすごくアジア人っぽくて。今だと良くないのかもしれないですけど。でもすげーキャラになりきって言ってくれて、それがバチハマりしたっていう感じ。
 
ILMARI:NIGO®さんがなんでこの車持っているか、そんなことは気にしなくていい、Let’s GOみたいな感じでしょ?ひどいなあと思うけど、 そんぐらいやっぱ、この四人が集まると、たぶん普通にストレートにただかっこいいことだけっていうんじゃなく、なんかちょっと違う角度で表現したいっていうね、うん。普段それぞれ全然違うノリでやってたりするかもしれないですけど、でも、なんか4人でスタジオ入ると。このヴァイブスになるから。

ー「TOKYO DRIFT」が、世界で有名な曲になっていく、この10年〜15年ぐらいをどういう風に感じていました? Spotifyの「世界で再生された日本の曲ランキング」を毎年TOP10に入り続けてます。

VERBAL:サントラに乗る曲の凄くいい例というか。タイアップって、そのためにやるじゃないですか。たまたまいい例に我々も乗せて頂いたって思ってます。 これよく冗談で言う話なんですけど。ワイルドスピードのサントラに、友人のFAR EAST MOVEMENTも参加してたんですね。彼らが「Like a G6」で全米1位になる前なんですけど。メンバーと仲いいから今だから言えるけど、当時TERIYAKI BOYZ ®と間違えられてブッキングされてから「あれ? 今日TOKYO DRIFTやらないの?」。あ、そうなんだよ、ごめんって言いながら、ごまかしながら営業めちゃめちゃもらってた、っていう話をされるぐらいアメリカとかオーストラリアとかではすごい流行ってたという(笑)。そこから、アジアに流れて、日本に来た頃にはちょっと若干時差あったかな。

WISE:当時、YouTubeが始まったぐらいで、いろんな人が真似してアップしてくれた。うちらの言葉に口パクやってる4人のロシア人とかが歌ってる動画を見て、カニエ・ウェストとやった「I still love H.E.R feat.KANYE WEST」のMVであれを逆真似したんだよね。



ILMARI:今のTikTokみたいなことYouTube使ってやってた感じ?

WISE:そうそう。うわー。すげーって。じゃ、これを逆に今度「I still love H.E.R」でうちらが真似しようつってビデオにした。

ILMARI:日本ではそんなヒットしたっていう感覚なくて。東京の友達とかに言われたこと一回もない(笑)。たまたま旅行でハワイ行ったときに、ちょっとお店出て車待ってたりしてると、そこのセキュリティが持ってる携帯の着メロみたいなのが「TOKYO DRIFT」だったり。こういうところで浸透してるんだなあって思った。

RYO-Z:バーのカウンターで一緒になった日本語もほとんどしゃべれないみたいな観光客に、実は俺TERIYAKI BOYZ®なんだ、と言ったけど全然信じてもらえない(笑)。「またまた〜」みたいに(笑)

ILMARI:あとね5、6年前マドンナが来日して、さいたまスーパーアリーナ行ったら1時間以上出てこなかったときがあったんだけど。前座DJみたいのがいて、多分アメリカのDJだったんですけど「これだろうお前ら。これだろー」ってノリで「TOKYO DRIFT」かけてんだけど。みんな全然わかってなかった(笑)

WISE:俺はちょうど去年の8月にコロナかかって家から10日ぐらいに出れなかったんですよ。その時ちょうどオリンピックやってて、めちゃくちゃ盛り上がって一人で見てたんですよ。NHKでイタリアの新体操の女子選手がめちゃくちゃくるくる回ってる流れの中にいきなりTERIYAKI BOYZ®がかかって。一人で見てたんでウワーっとなってすぐ携帯で撮ったんですけど、NHKのアナウンサーの女の人が「あ、なんか日本語の曲を使われてますね。」って、全然認知度がないっていう(笑)

ILMARI:海外との落差があるよね。母親フィンランド人だからヨーロッパとか行ったりするじゃないですか。みんな知ってるんですよ。

RYO-Z:シンクロのオーストラリアチームも使ってたね。

ーみんな東京でのオリンピックだから、って思って日本の曲探して使ってたんでしょうね。

ILMARI:リリースしてから今まで結構時間あるじゃないですか? そんな中、そのコロナの時にTOKYO DRIFT STYLEが流行って。リッチ・ブライアンがやってくれたり、重盛さと美さんのアレンジで日本の人も知ってくれた気がする。TERIYAKI BOYZ®の曲だと思ってない人もいっぱいいます。重盛さんの曲だと思っている人が絶対いると思う(笑) 。





ー私が見た今回のHEAD IN THE CLOUDSでは、メインステージでDabinやリッチ・ブライアンも自分のセットの中で「TOKYO DRIFT」やってました。


左から、RYO-Z、ILMARI、WISE、VERBAL(Photo by NAGARE)

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