ばってん少女隊が語る、ばっしょーらしさの追究、渡邊忍とのコラボレーション

ばってん少女隊(Photo by Mitsuru Nishimura)

6人組アイドルグループ、ばってん少女隊が上昇気流に乗っている。きっかけとなったのは、2020年10月にリリースされたアルバム『ふぁん』収録の「OiSa」。それまでスカパンク路線を突き進んできた彼女たちにとって、このクールで中毒性の高いダンスミュージックは衝撃的だったという。しかし、そんな本人たちの動揺とは反対に、楽曲の人気は有線を中心にじわじわ広がり、MVは450万再生を突破。今やばっしょーを代表する曲へと成長した。

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10月にリリースされた2年ぶりのアルバム『九祭』は「OiSa」の影響を受け、ダンスミュージックへと大きく舵を切った大胆な作品となった。この思い切った決断が功を奏し、普段はアイドルを聴かないような音楽ファンの耳にも届く結果に。

今回は結成8年目にして新たな活路を切り開いたばってん少女隊の6人が当サイトに初登場。2022年No.1アイドルアルバムとの呼び声高い本作についての話を中心に、「OiSa」がグループに与えた影響や九州愛についてなど、幅広く話を聞いた。



―最新アルバム『九祭』がリリースされてしばらく経ちましたけど、評判はいかがですか?

上田理子 アルバムがリリースされるのを楽しみにしてくださっていた方はもちろんなんですけど、今回は時間が経つに連れて聴いてくださった方が増えてきて、そういうことはこれまでに経験がなかったのでうれしく思っています。これまではリリース日に一番盛り上がってたけど、今回はこれまでばってん少女隊を聴いたことがなかったけど、SNSとかで話題になってるから聴いてみたっていう人が多い印象です。

春乃きいな 今回は九州各県をテーマにした曲が入っているので、その県にお住いの方から自分の出身の県の曲ができたことがうれしいっていう声をいただいたり、その県について詳しく知らなかったという方からも「この県は思ってたイメージと違った」「こういう観光名所があるんだね」みたいな声をいただけて、九州のことを知っていただくきっかけになっているみたいでそれがすごくうれしいです。

―自分たちが思ってなかったような感想ってありますか?

上田 「シャッフルで聴くと違和感がある」というのはよく言っていただけます。それだけこの曲順がしっくりくるのかなと思いますね。

春乃 あと、大分県をイメージコンセプトにした「沸く星」っていう曲があって、単体で聴くとこれまでに触れたことのない音楽っていう印象が強かったみたいなんですけど、アルバムを通して聴いたことで好きになったって言っていただけることはめっちゃ多いです。



―今作のようなクールなダンスミュージックに舵を切ったのは「OiSa」の影響が大きいんですか?

春乃 ダンスミュージックに取り組むきっかけになったのは「OiSa」だと思います。「OiSa」は有線でたくさん流していただいて、反響もいただいて、たくさんの方にばってん少女隊という名前を知っていただくきっかけになったと思うんですけど、最初は私たちですら「どういう曲なんだろう?」って掴めないところがあったり、ライブでも「どうやって披露したらいんだろう?」って考えてしまうような異色な立ち位置だったんです。でも、そのあとにリリースしたシングル「わたし、恋始めたってよ!」とか「YOIMIYA」でもダンスミュージックをやるようになってからは、そういう曲がばっしょーの強みみたいになってきたところがあると思います。なので、ライブもより独特な世界観を作れたり、幅を持たせたパフォーマンスができるようになるのかなって楽しみにしてます。





瀬田 あと、今回からメンバーとスタッフさんでどういう楽曲をつくりたいかっていう話をするようになったんですけど、アイドルって本来はみんなに元気や笑顔を届ける存在なので楽曲も元気なものがいいのかなあと最初は思ってたりもしたんです。でも、九州各県の本当のイメージって元気だけでは伝えきれない部分がたくさんありますし、こういう作品だからこそ九州の方には共感してもらいやすくて、九州に住んでない方にも各県のイメージが伝わりやすいものになったんじゃないかなと思います。

―昨年4月に加入した新メンバーのおふたりは「OiSa」以前のばっしょーのほうが馴染みがあったと思うんですけど、戸惑いはなかったんですか?

蒼井りるあ 加入する前は「アイドルといえば可愛い曲」というイメージが強かったけど、その頃からばってん少女隊がファンのみんなの前でヘドバンしながらライブをしているところを見ていたので、最初からこのグループはちょっと雰囲気が違うというか、ロックな感じだと思ってたし、動揺というほどの動揺はなかったかなと思います。

柳美舞 私も最初はばってん少女隊は明るくて元気で一緒にアガれるアイドルらしい曲を歌ってるイメージだったんですけど、私たちのお披露目のときに歌ったのも「OiSa」だったから、このアルバムで驚きはしなかったし、ばってん少女隊らしいアルバムになったと思います。

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