ベルウッド・レコード50周年記念、三浦光紀と振り返るはっぴいえんどとの出会い



三浦:これは中津川のフォークジャンボリーで渡さんのレコーディングの話をした時に、はっぴいえんどとやりたいって渡さんが言っていて、僕もはっぴいえんど大好きだから、やろうと。でも周りはやっぱ渡さんはフォークソングのイメージがあった。それと早川義夫さんがこのアルバムのコンセプトとか、バナナのデザインも決めたくれたんですよ。

田家:ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのね。

三浦:早川さんから、やっぱり渡さんの歌は言葉が命だからアコースティック1本でやった方が言葉が伝わりやすい、変なバックをつけると言葉がぼやけちゃうという意見もあって。別に揉めたわけじゃないんだけど、僕と渡さんはどうしてもはっぴいえんどとやりたい。でも、僕は早川さんを尊敬しているんですよね。一緒にやりたいなと思ってたんだけど、早川さんはスタジオに来なくなって、僕と渡さんでやったんです。漣ちゃんがマイフレンドってお父さんのことを書いてて、それで17歳の少年のときに三橋一夫さんから演歌の『明治大正史』という本を借りて、渡さんはその本を見て、アメリカのフォークソングのメロディに唖蝉坊の詩を乗せると非常にうまくいくというのをひらめいた。それが渡さんの作曲の原点です。17歳ですよ。当時渡さんは『替え歌百年』っていう加太こうじさんの本も読んでて、要するにフォークソングっていうのは替え歌なんだと。それをもう17歳の少年が分かったわけです。すごいなぁと思ってしまい、それもあってまずこの曲を渡さんの曲として選びました。

田家:この曲はベルウッド・レコードの前史にオリジナルアルバムが3枚ありまして、小室さんの『私は月には行かないだろう』と高畑さんの『ごあいさつ』と武蔵野たんぽぽ団の『武蔵野たんぽぽ団の伝説』。

三浦:その間に僕は『風街』もやってんですけどね。それはURCから出しているんですけど。だから一応、小室さん、渡さん、はっぴいえんどを全部やってるんですよ。

田家:なるほどね。今日最後の曲は何度も話に出てるはっぴいえんどのシングル盤です。1971年12月に出た「花いちもんめ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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