ベルウッド・レコード50周年記念、三浦光紀と振り返るはっぴいえんどとの出会い



田家:1971年11月に出たURCのアルバム『風街ろまん』の中の曲ですが、これをシングルにしたいっていうのはさっきおっしゃったメンバーの方から。

三浦:そうです。これは茂さんの最初の曲ですよね。大瀧さんがはっぴいえんどの中心だったんですけど、大瀧さん以外のボーカリストっていうことで、茂さんを前面に出そうと僕も思ってたんで、これがいいなと思いました。

田家:大瀧さんのソロシングル「恋の汽車ポッポ」もこの時でしたでしょ。

三浦:そうなんですよ。話が横道にそれるんですけど、ベルウッド・レーベルの名前をつけるときに僕と大瀧さんと3人でいろいろ話して。大瀧さんはレーベル名は「汽車ポッポレーベル」がいいってしょっちゅう言うんですよ(笑)。なんであんなに汽車にこだわってたのかなと思ったら、両方汽車なんですね。で、ベルウッドっていうのは小室さんがリスペクトして鈴木さんをもじって名前を付けました。

田家:大瀧さんのソロシングルは大瀧さんの方から? それとも三浦さんの方から出しませんかと言ったんですか?

三浦:大瀧さんにどの曲がいいか聞いたら、「恋の汽車ポッポ」を持ってきたんですよ。当時、シングルヒットしないと会社が成り立たないから一生懸命やるんだけど、シングル盤に関してはシングルヒットはアルバムを紹介するための見本品程度にしか思ってなくて。だから売れる売れないよりも、そのアーティストとかアルバムの特徴が出ているものをシングルにしてたんですね。先輩からも「三浦くんシングル盤って分かってんの?」ってよく言われました。「売れなきゃシングル盤なんて意味ないんだから」とも言われたんだけど、それもそうだけど僕はそういう考え方でやってますって。

田家:なるほどね。大瀧さんのソロをその時にもうおやりになりたいとおっしゃっていたわけですもんね。この話は来週ですね。来週は70年4月にベルウッド・レコードが発足してからの話になります。よろしくお願いします。

Rolling Stone Japan 編集部

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