高木祥太が語る、一平くんとの対話から見えてきた「BREIMENの原点」

「小学生の頃の深夜セッションを超えられない」

高木 僕と一平くんの出会いのきっかけを話すと、まず、中田くんというノイズミュージシャンがいて。中田くんは音大出身で、音大の先生がうちの母親と友達で、どういう経緯かは俺もよくわかんないんだけどいつの間にか中田くんがうちの実家に住んでたんだよね。で、一平くんは中田くんの友達だったんだよね。

一平 そう。中田くんは当時スタジオでバイトしてた。

高木 あ、STUDIO24でバイトしてたのか。

一平 それで祥太の実家に遊びにいくようになって。

高木 あともう一人ジロウくんと、3人がよくうちに来ていて。その3人が中田くんの部屋でアングラ系のAVを見てて、そこに俺とケンタとリュウタ(高木の弟たち)も入って「すごいな」みたいな感じで見たよね(笑)。

一平 ひどいよね(笑)。

高木 いわゆるエッチなAVじゃなかったよね?

一平 じゃなかったね。もはやAVではないね。実験映像みたいな。

高木 それだけ俺、すごい覚えてるんだけど(笑)。音楽を始める前の小学生のときに、3人とSTUDIO24でセッションしてたんだよね。セッションに楽器もできない小学生を呼ぶことが面白いんだけど。

一平 当時MDかテープで録音してたんだけど、録音を回しながらリュウタを閉じ込めて(笑)。そしたらリュウタが、録音回ってることを知らずに、スタジオの中で一人で叩いたり叫んだりしてて。

高木 その音源やばそうだね! めちゃくちゃ面白そう。要は、音楽始める前のセッションって知識も何もなくて。俺らは音楽一家だったけどまったく英才教育を受けてないから。俺もなんとなく覚えてるけど、そのときのセッションを超えられない気がしてる。初期衝動よりも前の衝動だから。「音楽やってみたい」とかじゃなくて、なんかよくわかんないお兄さんたちに連れてこられて「ワーッ!」ってやっただけ。原始人が初めて音楽に出会うときみたいなセッション(笑)。

一平 そう。もう「音出していいよ」っていうだけで。面白かったね。

高木 面白かったよね。いわゆる俺らが今やってるジャムセッション、ファンクのセッションとかじゃなくて、何も決まりがない。ゼロだよね。

一平 俺もドラムを始めたのが遅くて最初はわからなかったから、カリンバとか民族楽器にピックアップをつけてエフェクターをたくさん繋いで、ただノイズを出すみたいな。それをスタジオで子どもたちに聴かせて、みんなで「ギャー!」とか言って(笑)。

高木 ははは(笑)。でも記憶に残ってる。俺も楽しくて。別に楽器が上手くなるとかそういうベクトルじゃない。その場にいてなんかわかんないけど音を出すっていう。

一平 衝動が生まれてたね。

高木 衝動でしかなかった。それが高木三兄弟の初めての実演でしょ。

一平 そうだね。でもベースですらないもんね。

高木 むしろ主にドラムで。打楽器が一番本能的にいけるんだよ。ベースとかギターも面白かったけどね。別にコードとかじゃない、ただ「音出る」みたいな。しかも深夜にやってたよね?

一平 深夜だよ。ご両親にご理解があって(笑)。

高木 うちの親たちは「いってらっしゃい」って言ってたってことだよね(笑)。

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