高木祥太が語る、一平くんとの対話から見えてきた「BREIMENの原点」

見た目で「ジャンル感を悟られたくない」

高木 俺が幼少期の頃は、ずっと衝動的なことをやってたね。映像作家さんと映像の企画もやったりして。そのあと小6で俺ら家族がスペインに行って、中学のときはずっとサッカーをやってたから、そんなに一平くんと会ってなかった気がする。

一平 ちょくちょく会ってたけどね。

高木 もっと会うようになったのが高校生からで。俺が高2からベースを始めて、すぐに一平くんとバンドを組んだんだよね。名前忘れちゃった。

一平 フィッシュオン?

高木 あ、フィッシュオン! 高校の軽音部に入ってたから校内でコピーバンドもやってたんだけど、同じくらいのタイミングでフィッシュオンを始めて。それはドルサイナっていうスペインの民族楽器を吹く諏訪ちゃんと、俺のベースと、一平くんのドラムと、アコーディオンと、ギター。

一平 ホームレスのミヤシタくん。

高木 そう! ホームレスのミヤシタくんっていうギタリストがいて。インストバンドでオリジナルを作ってたんだよね。しかもメインがドルサイナ。結構変だったよね? 民族系……なんだろうね? アイリッシュとかもあるけど。

一平 変だった。不思議な曲が多かったね。

高木 フィッシュオンで遠征も行ったよね? あと新宿MARZとかでドイツのバンドと対バンしたよね。

一平 やったね。

高木 そうやって俺がベースを始めてから改めて一平くんと会うようになって、いっぱい音楽を教えてもらったんだよね。

一平 余ってたYAMAHAのベースをあげた気がする。

高木 BBだ! 俺今それ友達に貸してるんだよ。

一平 どんどんみんなに回していって。

高木 今思えば、一平くんに教えてもらった音楽がその後の俺の方向性にかなり関与してるというか。そのときにタワー・オブ・パワー、ジャミロクワイとかブラックミュージック寄りのものと、ライトニング・ボルト、ジョジョ・メイヤー、クリス・デイヴとか、メジャーなブラックミュージック系からアングラなものまで幅広く教えてもらって。全部好きだったんだけどベースに関してはブラックミュージックに傾倒していったから、今思えばかなりきっかけだった。俺がCharaさんを好きなのも一平くんの影響だわ。

一平 そうだね。Charaと祥太が一緒にやったとき、本当に感動したよね。びっくりしたもん。

高木 だから音楽はかなり直接的に影響を受けてるし、俺、高校のときにピアスを全部で10個くらい開けたんだけど、これも一平くんに影響を受けたね。

一平 同じ位置に開けてたよね。

高木 そう。俺がよくつけてる龍みたいなピアスも、一平くんがつけててかっこいいなと思って、一平くんが左耳だから俺は右耳にしようって。一平くんも片側だよね?

一平 そう、片側。

高木 俺めっちゃ一平くんに影響受けてるわ。タトゥーもさ、俺こっち(右腕)にしか入ってない。

一平 俺こっち(左腕)にしか入ってない(笑)。

高木 俺が半分マンになろうと思って右半分にしか施さないって決めたのは、一平くんに影響受けてたんだ。

一平 俺も半分マンになろうと思ってたから。

高木 ビジュアルも結構影響受けてるわ。

一平 俺、すっげえ変な格好してた。髪もめちゃ長くて。

高木 ここ数年で綺麗目になったけど、昔はジャンルレスだったよね。やっぱりビジュアルって、ジャンル感が出るじゃん? 好きな音楽だったり。でも俺の中でジャンル感を悟られたくないっていうのがあって。たとえば俺の今の格好でファンクをやってるとはあまり思わないじゃん。そういう考え方は無意識に一平くんから影響を受けてる気がする。

一平 俺もそう思ってる。祥太が言ったみたいに、出したくないのよ。ちゃんと会社とかやってるけど、ちゃんとしてる感を出したくない。

高木 わかるわかる。悟られたくないよね。むしろちょっと騙したいみたいなところもある。

一平 わかるわかる。

高木 「ジャンルレス」という部分は影響を受けてる。


Photo by renzo masuda(GROUPN)

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