高木祥太が語る、一平くんとの対話から見えてきた「BREIMENの原点」

「一平くんはずっと周りを助ける思考」

高木 この企画の主役は一平くんだから。俺じゃない! もっと一平くんの話が聞きたい。

一平 ローリングストーン誌でよくわかんない人が出てくるって、すごいよね。

高木 それが面白いじゃん。

一平 たしかに。雑誌読む人って音楽好きな人だよね。俺も音楽好きでやってきたけど、別に音楽で成功してるわけじゃなくて。でもそういう人の方が多いじゃん? バンドマンの成れの果てで音楽では食えてない人とか、音楽に関わることをしているうちに今に至っちゃったという人。俺みたいに、音楽をずっと頑張ってやってきたけど芽が出なかった人っていっぱいいるからね。昔は30歳になって芽が出なきゃやめるとか、そういう人もいっぱいいたけど。やめなきゃいいのにって思う。

高木 最近はドラム叩いてる?

一平 叩いてる。

高木 そう、そうなんだよね。いつも思うんだけど……まあ実際は難しいんだけど、多くの人が音楽をやめていっちゃう。でも音楽だけで稼がなくても、続けていればセッションもできるし。

一平 そうだね。こうやって仕事して思ったのは……バンドを仕事みたいなテンションでやっていたら、もうちょっといけるところがあるのかなって思うけど、いろんな人がいるじゃん? 自分の思ってる音楽を形にしたい、別に売れなくてもいい、とにかく何か出したいという人もいれば、売れて認められたい、有名になりたいという人もいるし。何が成功かよくわからないんだけど。

高木 本当にそうだと思う。俺は多分、そのどっちでもない感じにいる。

一平 プロで食えてる人って今どれくらいいるのかも知らないけど。

高木 俺も一平くんから3万円借りてるから。今日も返せない、すみません。

一平 全然いつでもいいんで(笑)。困ったら貸しますよ。

高木 一平くんはずっと周りを助ける思考だなって感じる。事業としてはちゃんと成功してるんだけど、一平くんが豪遊してるのを見たことがない。

一平 これはもう、それぞれの性質があるんじゃないかな。俺は別に自分がそうしようって選んでるわけじゃなくて、ただそうしちゃってるだけだから。今もう物理的にほしいものもあんまりないし。あとは若い子にあげたい。もうおじいちゃんはいいなと思って(笑)。

高木 俺はずっともらいものの人生だなと思ってて。いろんな人からもらってきたんだけど、特に一平くんから色々もらってる気がする。楽器とか服とか。

一平 そうだね。わざわざあげようとしてるわけではないけど、気づけばあげてたかな。コロナとかあったりして今若い子がハードモードな気がするし。あげられるものがあるならもうあげちゃえって感じ。

高木 一平くんの今の会社には、立ち上げのときもいたけど、コロナで金ないときもバイトしてたし。ケンタ、リュウタもそうだし、ハマイバもやってたし、ソウちゃん(So Kanno。BREIMENのDr)、純平(藤井純平。BREIMENのマネージャー)もやったよね。周りほぼみんなやってたくらい。本当にそれは助けてもらってた。

一平 みんな仲良く楽器やレコード触ってね。あのとき、そういう場所があってよかったと俺も思ったね。

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