高木祥太が語る、一平くんとの対話から見えてきた「BREIMENの原点」

好きなことを我慢してまで長生きしてどうする?

高木 最後に、一平くんが人生において大切にしてることとか、豊かさや幸せの価値観を。

一平 何だろうね……もっとみんな好きにすればいいと思う。もう何でもいいじゃんって。今何やったって色々うるさいじゃん。だからもっと好きにしていいんじゃないって思う。先が不安な世ですけど、そもそも何歳まで生きたいの?って思っちゃって。もっと今、我慢しないで好きにやればいいのになと思う。

高木 いつまで生きられるかもわかんないしね。

一平 音楽もそうだよね。別にやめるやめないじゃなくて続ければいいし。売れたいなら売れればいいし、売れなくても好きなものを作りたいならとことん作ればいいし。とにかく好きにやればいいんじゃないかなと思ってる。「いい」とか「悪い」をとても言われるけど、「好き」と「嫌い」だけでいいんじゃないかなって。

高木 同じ。というか、影響を受けてる。

一平 本当、好きなことをやればいいと思ってる。祥太もね、多分、有名になると色々言うやついるじゃん。

高木 はいはい。

一平 別に何でもいいんじゃない、と思う。好きなことをやってるんだったら。好きなことを我慢してまで長生きしてどうする?って、最近特に思いますね。

高木 それを体現して生きてるよね。

一平 いやでもまあ、難しいよね。今「レビュー文化」というか、どこを見てもレビューがある中でやっぱり気にしちゃうから、好きだけで動きづらいのはすごくある。

高木 人からの評価とか、人からどう見えてるのかがより目につくようになったよね。それはずっと存在していたものだとしても。

一平 俺、「いい」とされるものが好きじゃないパターンが結構多いから。「好きなもの」と「いいとされるもの」のズレは考えちゃう。好きを取るべきだなと思いながらも、いい方にいかなきゃいけないときもあったり、いいとされるものを自分で掴んじゃうときもあったり。もっと好きなものだけを選びたいんだけど難しいなっていうのはある。それは音楽だけじゃなくて。

高木 全部のことに言えるよね。

一平 服も食い物も仕事もそうだね。やりたいならすぐにやればいいし、嫌ならすぐにやめればいいって、いつもみんなに言ってるんだけど、自分もなかなかそうできないっていうのはある。

高木 そうだね。でも、やっぱり面白い人だなって思った。改めてこうやって話を聞いてみると……「人それぞれにドラマがある」といえば安っぽい言葉になるんだけど、でも実際そうだと思う。世の中で日の目を浴びる人たちしかインタビューとか聞けないじゃん。でも全然そうじゃないけど面白い人って無数にいると思う。

一平 そうだね。いろんな生き方があるなって、すごく思う。

高木 あと俺は一平くんからだいぶ影響を受けてるんだなって思った。だから呼べてすごくよかったです。

Text&Editor = Yukako Yajima

BREIMEN
常軌を逸した演奏とジャンルにとらわれないスタイルで注目を浴びる5人組オルタナティブファンクバンド。2022年5月リリースされたポルノグラフィティ・岡野昭仁とKing Gnu・井口理のコラボナンバー「MELODY(prod. by BREIMEN)」では高木祥太(Vo&Ba)が作詞作曲を手掛け、メンバー全員が演奏・編曲を担当。同年7月に3rdアルバム『FICTION』をリリース。
https://brei.men/

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