マネスキンが語る挑戦と現在地、『RUSH!』で更新した4人のロックンロール

 
それぞれが選ぶハイライト、『RUSH!』と名付けた理由

―サウンド面では、90年代ロックに根差していた前作に対し、今回はダンスパンクを始め、2000年代前半のインディロックに強く影響を受けているように感じました。バンドで言えば、キラーズとかフランツ・フェルディナンド、或いはホワイト・ストライプスとか。

トーマス:もちろんその辺のバンドのことは頭にあった。でも、今回のアルバムが前作と異なる点って、最初にダミアーノが言ったように、何よりも4人の異なるテイストの集積だという成り立ちにある。4人分のネタ元があって、例えば僕の場合はホワイト・ストライプスやクイーンズ・オブ・ザ・ストーンエイジやアイドルズだったりするんだけど、ほかの3人の影響源はそれぞれに違う。だからこそクールなんだよ。とことんパンクな曲がある一方で、よりポップな曲もあるし、チルアウトした曲もあって、僕が思うに、すごく多様だってことがアルバムの一番の強みなんじゃないかな。


Photo by Ilaria Ieie

―「GOSSIP」には、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロをゲストに迎えています。トムとのセッションはいかがでしたか?

トーマス:いやもう最高だった! まさにレジェンドだしね。彼はLAのスタジオに来てくれて、みんなで一緒に曲を完成させたんだよ。僕が作ったメインのリフをもとにジャムをして、すごくナチュラルに進行して、本当にクールだった。ミュージシャンとしてあの場にいた全員が、トムと確かなコネクションを感じたしね。特に僕にとってはスペシャルな体験だったよ。

―そういえばダミアーノは「GOSSIP」のリリースに際して、髪をバッサリ切ってしまいましたよね。

ダミアーノ:長髪に飽きちゃったんだよ。ファッション云々っていうことじゃなくて、どちらかというと合理的だからっていう理由で、スタイリングに手間がかからないから、30分余分に寝れるようになった。この差は大きいよ(笑)。


マネスキン、トム・モレロと共に米TV番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』に出演

―それぞれに、アルバムの中で特に気に入っている曲を、その理由と共に教えて下さい。

イーサン:たぶん「KOOL KIDS」じゃないかな。こういう曲はこれまでにやったことがなかったし、ここに現れるキャラクターも過去にないタイプだから。

ダミアーノ:「IF NOT FOR YOU」だね。こういう感じの音楽が僕の好みなんだ

トーマス:選ぶのはすごく難しいけど、今この瞬間に気に入っているのは「DON’T WANNA SLEEP」。ダンス的な要素とロックンロール的なヴァイブがいいバランスでミックスされている曲だから。すごくハードな曲なんだけど、同時にダンサブルでもあって、そういうコントラストが好きなんだよね。





―このアルバムにはタイトルトラックはありませんが、『RUSH!』というタイトルを選んだのはなぜ?

トーマス:過去2年間の僕らの人生にタイトルを付けるとしたら、“RUSH!”が相応しいからだよ。

ダミアーノ:僕らのフルアルバムには、いつもタイトルトラックがないんだよね。

トーマス:そうだったね。とにかく、ずっと旅をしていた2年間の生活を、最も正確に表す言葉だと思ったんだ。

―2年前のユーロヴィジョン・ソング・コンテストのファイナルの時の自分たちを振り返った時、どこが変わったと感じますか?

ダミアーノ:そんなに変わっていないと思うけどね。同じ人間だよ。願わくば成長していると思いたいけど、そこは自分たちでは分からないから、ほかの人たちの判断に任せるよ(笑)。

Translated by Yuriko Banno

 
 
 
 

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