BTSのJIMINが語る、ソロアルバム『FACE』制作秘話とメンバーの支え

「FACE」=自分を見つめ直す旅

―アルバムのタイトルは『FACE』ですが、あなたにとってどんな意味があるのでしょう?

JIMIN:このアルバムでは、自分を見つめ直しています。「Face」という単語には様々な意味があると教えてもらいました。もちろん名詞としては「顔」ですが、動詞としては「向き合う、対峙する」という意味もあります。新しいスタート地点に立ち、新しい旅を始める上で、自分を振り返ってあらためて向き合う必要があるだろうなと思ったんです。

―自分自身を見つめ直してみて、新しい発見はありましたか?

JIMIN:新しいという感じではなかったですね。でも、パンデミック中の自分や当時の胸の内を振り返ってみると、あの時は自分の感情がよく分かっていませんでした。自分は大丈夫。ハッピーだ。物事を楽しめている(と思っていました)。でも振り返ってみて、(当時の)気持ちはそれだけじゃなかったことに気づいたんです。気づいてからは、とにかく(そうした気持ちを)克服しなくちゃと思いました。ある意味、大人になる術を学んだんだと思います。パンデミック中、様々な感情を抱いていたことに気づいたんです。

―アルバムの歌詞を見ると、孤独や葛藤、自由の探索といったテーマが浮かび上がります。歌詞を書いていた時はどんなことを考え、どんな心境だったんですか?

JIMIN:僕は遠回しに言うというか、間接的な表現があまり得意ではありません。それは歌詞でも一緒です。2年前に自分が感じていた気持ち、(当時)様々な場面で感じていた感情を、とにかくありのままに表現しました。作品を聴いてもらえれば、すぐに歌詞が理解できると思います。

―今回のソロプロジェクトでは音楽面、制作面で自分をどう表現しようとしたんでしょうか?

JIMIN:楽曲ごとにそれぞれ感情が違うので、(制作の)過程でもそうした感情をそのまま表現しようとしました。(アルバムの)前半は怒りです。メイントラック(「Like Crazy」)はハッピーな雰囲気ですが、その裏には孤独があります。振り付けも、メイントラックと先行シングル「Set Me Free Pt.2」では全然違います。



―「Interlude: Set Me Free」は、SUGAがAgust D名義で書いた2020年のミックステープ「D-2」の収録曲ですが、この曲と「Set Me Free Pt.2」にはどんなつながりがあるのでしょう?

JIMIN:実際につながってるとは言えないかもしれません。ただ、この曲を制作していた時にふと、「set me free(僕を自由にして)」というフレーズがタイトルにピッタリだと思いました。その後、同じタイトルの曲がSUGAのミックステープに入っていることに気づいて、実際に聴いてみたら、同じように成熟や大人になることの葛藤が歌われていたんです。だから、僕の曲を「パート2」にするのは理に適っていると思いました。もし何かのチャンスや機会に、この曲で彼をフィーチャリングしたら面白そうですね(笑)。

Translated by Akiko Kato

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