BTSのJIMINが語る、ソロアルバム『FACE』制作秘話とメンバーの支え

収録曲のエピソード、自身のダンススタイル

―1曲目の「Face-Off」は、カーニバルの音楽のようなメロディで幕を開けます。これは何を表しているんでしょう?

JIMIN:とくに深い意味はありません。この曲に取り掛かった時、まず始めにプロデューサーといろんなピアノや楽器をいじってみました。この曲には激しさや反逆心、たくさんの怒りが込められていることに気づくでしょう。でもこんな風に(カーニバルの音で)始めることで、そうした雰囲気とはっきりコントラストを付けられたと思います。「こういう出だしにすれば、どこか逆説的で皮肉めいた感じになるし、かなり面白くなりそうだ」という話になったんです。

―「Interlude: Dive」では水の音の後、ステージ上であなたが語る声が続きます。この曲ではどんなストーリーを伝えているのでしょう?

JIMIN:最初のアイデアでは、ものすごく激しくて反逆的な「Face-Off」を1曲目にして、うっとり夢見心地なメイントラックの「Like Crazy」を2曲目にする予定でした。2つをつなぐものを間に挟んだら面白いだろうと思って、それで「Dive」を入れました。曲を聴いてもらえば、息切れの音や走る音が聞こえると思います。僕が道に迷い、さまよっている感じを出したかったんです。それで(この曲では)様々なことに挑戦しました。実際に携帯を使って、走り回りながら録音したりもしました。楽しかったです。

―「Like Crazy」は映画『今日、キミに会えたら』から着想を得たそうですが、この映画のどこが気に入ったんでしょうか。曲にはどんな風に反映されているんでしょう?

JIMIN:JIMIN:実はYouTubeを見ていて、偶然目にした動画があったんです。ブレイクボットの「In Return」と、この映画のシーンをマッシュアップした動画でした。「これは何だろう?」と思って、その流れで映画を観ました。甘々なロマンチックな作品かと思っていたんですが、ふたを開けたら、別れがものすごく現実的に生々しく描かれていました。メイントラックについて話し合っていた時、この映画がふと頭に浮かんで、(自分たちが作ろうとしている)曲にぴったりだと思いました。それでもう1度映画を見て、そこで得たヒントを様々な形で(曲に)盛り込みました。(曲の)出だしと終わりに差し込んだ興味深い会話の抜粋は、まさに僕が言いたかったことを表現しています。




―「Like Crazy」の振り付けやパフォーマンスはどんな風になるのか、教えていただけますか?

JIMIN:あの映画に出てくる感情を表現しようとしました……どこか込み入っていて、なんとなく孤独で、なんとなくハッピー。そうした曖昧で微妙な感情を、少しセクシーな感じで表現しようとしました。最終的に、皆さんからどう受け止められるかはわかりませんが(笑)

―あなたはモダンダンスの経歴に加え、テコンドーや剣道など様々な武道もたしなんでいます。こうした多種多様な動きは、今のダンススタイルにどんな影響を及ぼしているんでしょうか?

JIMIN:正直ダンスを習い始めた時は、モダンダンスの経歴や様々な動きが妨げになるんじゃないかと思っていました。でもデビューの後、自分らしい振り付けを確立してからは、実際こうした動きが大いに役に立ったと思っています。悪い癖だと思っていたことも、結局いい形で作用しました。他の人とは違う視点でダンスを見たり、モダンダンスのスタイルや力強いアクロバティックな動きを振り付けに盛り込むこともできました。そういう基本的な型が今の僕の土台になったんだと思います。

Translated by Akiko Kato

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