続・J-POPの歴史「バンドからソロへ、音楽業界が盛り上がり続けていった1996年と97年」



流れてるのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」。

本当にいろんなことがあって、改めて思い出すことがたくさんあります。こんなことしてたんだってことを思い出しながら選曲したりしてるんで、かなり個人的になっております。97年の手帳に「パリ」という言葉があったんですよ。何だっけ、と。藤井フミヤさんと尚之さんのインタビューをパリでやってます。今もやってますけど、フミヤさんがデジタルアートの個展をパリで行ったんです。「DIGITAL MASTURBATION」という個展で、ファンクラブのツアーを組んだんですよ。チャーター機ですよ。観光船を貸し切って川を下っていくって企画があったんですけども、観光船を二艘貸切。ホテルのコンベンションルームで食事会がありましたね。フミヤさんも一緒にゲームみたいなものをやってました。ファンクラブツアーとしてはこんなに大規模なものがあるんだって思った記憶ですね。

向こうのでメディアを集めた記者会見があったり、個展の会場でオープンイベントがあって、向こうの美術系のアーティストもたくさん来てて、僕らは彼らの取材もしたりしました。新聞に載りましたよ。そういう取材やファンクラブイベントを、レコード会社とか事務所が組んで、僕らのような取材の人間を連れてったんですよ。いかに音楽業界が潤っていたか。僕はフリーランスなので、あまりバブルの恩恵は感じたことなかったんですけど、改めて思うとやっぱり恩恵をこうむっていましたね(笑)。ロンドンにも行ったしアジアツアーも行ったしパリも行かせてもらった。あの時代の好景気に改めてありがとうございましたと思いながら、そのピーク、98年99年編に来週向かおうと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE