大倉士門が語る、芸能界をマイペースに生き抜く秘訣

生まれも育ちも京都の大倉。現在は地元への貢献活動にも積極的に取り組んでいるが、高校を卒業し18歳で上京するまでは、その魅力が全くわからなかったという。

「神社仏閣もそこらじゅうにあったから、特にありがたみも感じてなかったんですよ。でも東京に来てから『出身地どこ?』と聞かれ、『京都』と答えるたびに『めちゃくちゃいいところだよね』と常に羨ましがられて。そんなリアクションをいただくうちに『あれ、京都っていいとこなんだ』と思い始めたんです。『夏休みに京都行くんだけど、どこかおすすめある?』みたいなことも、先輩方にもしょっちゅう聞かれるし、これは改めて京都を勉強しなければと。そうしたら本当にいい場所だと再認識しました」

奈良や平安の時代からずっと残る、国宝級の神社仏閣一つひとつにストーリーがあり、知れば知るほど人生が豊かになることを知った大倉。保存すべきもの、守るべきものに惹かれるのは、絶滅危惧種のカメに惹かれるのにも通じるのではないだろうか。

「まさに。僕は歴史あるもの、由緒正しい伝統のあるものが大好きなんです。今、車はアルファロメオの現行モデルに乗っているし『一生アルファロメオしか乗らない』と決めているのですが、ホンマに乗りたいのは1970年代、1980年代のモデルなんです。ビンテージは壊れやすいので、仕事で使えないのが難点ですが(笑)」




話を聞いていると、とにかくオフの日を大切にしている様子の大倉。一昨年フリーで活動を開始し、その1年半後に個人事務所を設立した彼は、スケジュールの管理も全て自分次第。そのため「今月はここで海に行こう」とまずオフのスケジュールを決め、それを基に仕事の予定を組むこともあるそうだ。

「趣味があるから仕事を頑張れるというか、オフをいかに充実させるかで仕事の質も上がります。そうやって仕事が充実し忙しくなると、オフの充実度もさらに上がるんです。いい相乗効果ですよね。例えば『この60万円の水槽が欲しい』と思ったら、『じゃあ貯金で買おう』ではなく『これから稼ぐギャラで買おう』と思って『頭のなか貯金』をいつも始めるんですよ。『この5万円の仕事を12回、ちゃんとつなげられたら水槽が買えるから頑張ろう』って。そうすれば貯金を切り崩すこともないし、仕事への意欲も上がるし一石二鳥じゃないですか?」

昨年10月、かねてから交際していたファッションモデルでタレントの「みちょぱ」こと池田美優と結婚したことを発表した大倉。家庭ができて、趣味に費やす時間も変わってきたのだろうか。そのバランスの取り方についても聞いてみた。

「僕たちは本当にお互い忙しく、日中は全く違う時間を過ごしているんです。会えるのは家に帰ってからの2、3時間。なので、必ず一緒に風呂に入ってその日にあったことをお互いに報告し合っていますね。たまたまスケジュールが空いた時は、2人でゴルフへ行くこともありますし、年に4回は必ず時間を作って一緒に旅行にも行っています。お互いの趣味には一切干渉しません。それどころか、僕が泊まりで仕事の時は、彼女がカメの世話もしてくれるんですよ。いつも僕をあたたかく見守ってくれるし、サポートもしてくれる。本当にいいパートナー関係を築けていると思いますね」


今年結婚一周年を迎えた大倉夫妻(写真=本人提供)

個人事務所設立に結婚と、人生のターニングポイントをコロナ禍で一度に迎えた大倉。これから先は、どんな働き方を考えているのだろうか。

「『ここから右肩上がりに仕事を増やし、ゆくゆくはゴールデンでブレイク!』みたいなことは、全く求めていなくて。とにかく今、仕事、趣味、家庭の全てがバランス良く充実している最高に幸せな毎日なので、これをずっと続けていくことが目標です。僕らのようなタレント活動は『現状維持』こそ大変で、ずっと同じことばかりしていたら飽きられてしまう。カメが好きな自分、京都が大好きな自分、みちょぱの夫としての自分と様々な大倉士門を見せて、それでようやく現状維持ができると思うんです」

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