Ayumu ImazuとNovel Coreが語る、クリエイティブの美学、原点としてのストリート

―Ayumuさんは、何かを考えながらライブするタイプですか。

Ayumu:僕も考えないですね。ちょっとでも考えると逆に変になっちゃうというか。ナチュラルでなくなってしまうので。

Core:めっちゃわかるわ。

Ayumu:考えないときが、一番いいライブをしているなって。今年の9月にツアーで4ヵ所を回ったときに、めっちゃ感じました。1公演目はめちゃくちゃ緊張していたから硬くて、2公演目はそれを改善しようと思い考えながらライブしたら、出来はよかったものの気持ちをちゃんと持っていけない部分もあって。3公演目は、ファイナルの1個前だからいい意味で気が抜けていたのもあって、自分のなかでは一番気持ちがよかったんですよね。その感覚は、すごく大事にしないとなって思ってます。

Core:考えるとよくなくなるっていうのは、すごくあるよね。それに、お客さんもそう思っている気がするんだよね。

Ayumu:絶対に感じてるよね。

Core:極論だけど、ステージに立っている人たちが、めちゃくちゃ楽しそうにしていると、お客さんも一番楽しかったりするじゃん。自分が人のライブを観に行って「最高だったな」って思うときって、ピッチが完璧だったとか構成が素晴らしかったとか演出が1㎜単位で全部合っていたみたいなことよりも、言葉にできないウオーって湧き上がる感覚があったかどうかな気がしていて。ステージに上がっている人たちが楽しんでいないと、お客さんもそのエネルギーを感じることができないと思うんだよね。だから大前提として、自分が楽しむことは大事にしたいですね。真っ裸でやりたいっていうか。

―お客さんに楽しんでもらうためにも、自分が無心になって楽しむことが大切だと。

Core:あとは、アーティストとしてのプロ意識みたいなところに関わってくると思うんですけど、考えなくても美しくパフォーマンスできるように、考える必要のないくらい体に叩きこむのは必要だと思います。イチローさんが、ずっと素振りを繰り返すのと一緒ですね。何も考えずにただ楽しんでやればいいライブになるかというと、そういうわけではなく。日頃から練習を重ねて、歌いこみや走りこみ、体力づくりなど、諸々の基礎的な動作の繰り返しが、いいライブに直結してくるんだと思っています。

Ayumu:間違いないですね。僕はダンスレッスンを受けているときに、同じようなことをすごく感じていて。踊りを筋肉に覚えさせるというか。頭で考えなくても最初のムーブだけパッてやれば自動で動くような状態に持っていくんですよ。「次はこれだ」って動くんじゃなくて、体のなかにリズムを入れて自動的に動いている感じ。そういう感覚でやっているときが一番気持ちいいし、フリーな状態だなって感じますね。考えるとやっぱりテンパるので。



―それは歌もダンスも。

Core:そんな気がしますね。ラップをしているときも、思考は全く通ってないです。

Ayumu:それはマジでわからないや(笑)。

Core:俺もAyumu君のダンスについては、全くわからんよ(笑)。毎回、すげえってなるけど。お互い得意な分野に関しては、感覚的にやれているところがあるよね。

―ライブを楽しむためには、思考を通らなくてもステージできるくらいまで体に落としこむ必要があるんですね。

Core:そうですね。それに好きなことだから。毎日めっちゃ努力していますっていう感覚には、あまりならないし。

Ayumu:それは、そうですね。

Core:毎日のルーティンみたいに歌ったりラップをしたりダンスをしたりしているのが、結果的に身になっているので。いたって自然体でいるのに、どんどんよくなっている感覚がある。本当に「好きこそものの上手なれ」っていい言葉だよね。ことあるごとに、本当にそうだなって思いますもん。そのものが好きであれば、向き合う時間は必然的に長くなってしまうと思うので。何もしなくても上手くなっていくもん。Ayumu君も「週に3日間は3時間レッスンします」とか決めなくても、気づいたら部屋で踊ってるでしょ?

Ayumu:(頷く)

Core:俺も気づいたら、ラップしていることあるしね。yamaさんとの対バンライブのときなんか、舞台袖でモニターを通してyamaさんのライブを聴きながら、ギターソロのフレーズにフリースタイルしていたから(笑)。

Ayumu:へー! たしかに無意識の感覚っていうのは、すごくわかるかも。

Rolling Stone Japan 編集部

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