SNARE COVER、川上シゲと梅野渚を迎え語る「痛みがあるから生まれる強さ」

ー改めて『NoRoShi』はどんな一枚になりましたか?

斎藤:すごく濃いと思うし、こんなに自分のことをさらけ出していいのかなって。そういう気持ちになるぐらい、パーソナルな部分を詰め込めた1枚だと思います。今メジャーで契約させてもらって、こういう楽曲をやらせてもらえるのはすごいありがたいことだし、SNARE COVERの音楽として価値を置いてくれている状況に感謝してやりたいなってあらためて思います。

梅野:昔に作った曲と新しく作った曲が一緒に入っていて、彼の歴史が1枚に表されているし、斎藤さんにとって大切なアルバムになったんじゃないかと思います。

川上:このキャリアでとかじゃなくて、作品としてすごくいい作品ができたなって感じはあります。それしかないですね。これだけ楽曲も詰まっていて、次はどういうふうに持っていくのかなというのも楽しみです。ストックを結構いっぱい持っていると思うので。

ーやりたいことを極めた1枚じゃないですか。なので、ここからどんな音楽を作って行くのかが想像できないですね。

川上:たぶん基本的なものはぶれないだろうね。

斎藤:まだまだ書ける気がしますね。音楽。書かなきゃいけない曲がまだいっぱいある感覚なので。

川上:いいね、書けるっていうのがね。書けない人が多いからね。

斎藤:トレンドを追っかけることをモチベーションにしたら、それは難しいかもしれないですね。そういう戦いをしている人はすごいと思いますけど、自分だったら難しい。とはいえ、もっと人に伝わりやすい、単純に言葉とメロディがもっと日常に寄り添えるようなものとか。そういうものに関しては自分も興味を持っているというか、自分がもし書いたら、もっと違う伝わり方をするというか、そっちの方のモチベーションは湧いているので、また違った楽曲ができるんじゃないかなと思っていますけどね。

ー記事の公開タイミングには終了していますが、3月1日にはイベント(「SNARE COVER Presents Special Talk&LIVE Session JAPANESE ROCKの夜明けから未来へつなぐもの その2」)がありますね。

川上:岡井大二や寺中(名人)くん世代の人たちに、SNARE COVERの音楽を聴かせたら結構気に入っていて。せっかくならイベントでみんな集まってやろう、という話になって。今回はそんなに絡むのはないんだけど、同じステージに1回出てみて、SNARE COVERがどんな刺激が受けるんだろうなって楽しみですね。あがた森魚もいるんですけど、この人も結構おもしろい。チャッピーは昔はクロニクルってバンドで、1974年にLAのWhisky A Go Goで日本人として初めてプレイして、日本で初めてアイランド・レコードと契約した人間なんですよ。

斎藤:ここにSNARE COVERがいるっていうのが、本当にすごいですよね。

ー「SNARE COVER presents」ですからね。

斎藤:当の本人がキョロキョロしちゃいますね(笑)。僕からすると、インプットがすごい多いイベントだと思います。

川上:こっちのおじさんたちも結構うるさいからね、どんな歌を歌ってるんだって(笑)。聴かせたらすごい反応よくてさ、これいいじゃん、なかなかいないよこんなのって話になっていて。

斎藤:この年になって新人的な感覚、若手という(笑)。そういう気持ちでやれる、それすごいうれしいことですね。どちらかと言うと、年齢的、世代的には下の方が多くなってくる、イベントをやるにしても何にしてもですけど。この自分がそういうニューフェイス的な感覚でやれるのはありがたいです。

梅野:皆さんとのセッションにも参加させていただきますが、緊張しますけど小難しいことを考えず、とりあえず音にしていこうと。一曲やるだけでも、多くのことを学べるんじゃないかと思っています。

ーお二人を含めたバンドメンバーもそうですし、イベントも含めて、こんなことができるSNARE COVER って何なんだって話ですよ(笑)。

斎藤:いやぁ、たしかに(笑)。いろいろな力が働いてくれてありがたいですよね。

ー今後もこの形態が続いていく?

斎藤:おそらく今後もやらせていただくと思います。

ークロコダイルというライブハウスも何かご縁があるんですか?

川上:オーナーが西哲也さんという方なんですけど、T H E・Mってバンドでドラマーをやっていて。日本のロックの中では、みんなが尊敬するバンドなんです。その後に結成したファニー・カンパニーに桑名(正博)を連れてきたのは、西さんだったんですよ。あと、りりィのバイバイ・セッション・バンドのドラムをやっていた。その当時、日本では3本の指に入る人が店長をやっている老舗。昔、西さんを慕ってきていたのは、内田裕也とかジョー山中とか、安岡力也も来ていた。70年代のミュージシャンには今も慕われているんです。

斎藤:……すごい。話を聞けば聞くほど、身が引き締まりますね。



<リリース情報>

SNARE COVER
Digital EP「NoRoShi」
配信中
https://SNARECOVER.lnk.to/NoRoShi
=収録曲=
1. Hourglass
2. NoRoShi (2024.1.31 先行SG release)
3. 永い夢の終わり
4. Wedding Bell
5. 私らしく、僕らしく –井手上漠のこと- (WHITE MOUNTAIN Mix)
6. 大人

<ライブ情報>

「伝説のスーパーバンド 千年COMETS 奇跡の復活前夜祭 Presented by SNARE COVER」
2024年3月31日(日)原宿クロコダイル
時間:開場 17時/開演 18時
前売り券:4500円/当日券5000円
詳細:https://crocodile-live.jp/events/event/page/2/
●Part1
千年COMETS ミュージックビデオ 3部作上映 
特別ゲスト 映画監督 林海象
●Part2
SNARE COVER With Special Band LIVE
武田チャッピー治 Chappy‘s NION カルメン・マキ&OZ( exファーラウト クロニクル 千年コメッツ Typhoon NATALi 他)
川上シゲ カルメン・マキ&OZ 岡本健一 with ADDICT OF THE TRIP MINDS 川上シゲwith The Sea(ex 千年コメッツ Typhoon NATALi 他)
Piano 梅野渚(ex MOTELS AJATE 他)
Flute Sax Gt Harry Yoshida
●Part3
千年COMETS Secial Setライヴ

Rolling Stone Japan 編集部

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