流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。
今のメンバーになったのは50周年の頃からなんですね。亡くなった後の9月1日に渋谷のduo MUSIC EXCHANGEでPANTAさんの映像と一緒に7人のバンドが演奏したんです。今まで聴いてきたPANTAさんのライブ、頭脳警察のライブの中でも最も音楽的に豊かな気がしたんです。PANTAさんのワンマンバンドの感じが全くなかった。若いメンバーと一緒にやっているだけではなくて、なぜPANTAさんがおおくぼけいさん、そして竹内理恵さんを選んだのか。他のメンバーもPANTAさんが全員自分で選んでいるということの理由みたいなものが見えて、今日はそれを確認した気がしました。
PANTAさんがとってもいろいろなことに対して知識を持っている人だというのは今週までの話でもおわかりいただけたと思うのですが、そういうメンバーとの会話の中にも博識振りが存分に発揮されていて、それが音楽の絆になっている、そういうバンドなんだなとあらためて思いました。
今回のアルバム『東京オオカミ』も本当にそういうストーリーがたくさんあります。それは『ミュージック・マガジン』の志田さんの原稿を読んでいただけるとおわかりだと思うのですが、PANTAさんはそういう人だと思われてませんでしたからね。こんなにいろいろな誤解をされていたり、理解されてないなって彼もきっと思ったでしょう。でも、その中で50年間自分のやりたい音楽をずっとやり続けてきて曲げないところは曲げないで、興味のあるところはそこに突っ込んでいく、そういう姿勢を貫いてきたということにあらためて感銘を受けております。僕の知らないPANTAさんがたくさんいました。でも、この地上に戦火が耐えぬまで頭脳警察は終わらない、「東京オオカミ」の歌詞のようにPANTAさんは石になって見守ってくれているでしょう。
<INFORMATION>
田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp 無料メールマガジン会員登録に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
今すぐ登録
会員の方はログイン