「業界の外」から音楽業界の流れを変える、知っておくべき世界の実力者トップ5

4)ジョン・マローン&グレッグ・マッフェイ Liberty Media社会長、CEO

ローリングストーン誌は先週の記事で(編注:US版記事はこちら)点と点をつなぎ合わせ、Liberty Media社が音楽業界をほぼ完全に掌握していることを突き止めた。デンバーに拠点を置く同社はすでにLive Nationの株式の1/3とSirius XMの株式の過半数を所有している。さらに、近いうちにストリーミングサービスPandoraを丸ごと買収する予定だ。

現在の予想では、全米で毎月2億5000万人の視聴者数を誇る全米放送局の最大手iHeartMediaが今年前半に破産状態から回復したところで、Liberty社がオファーをかけるものとみられている。アナリストの間では、SiriusとPandoraを統合した新会社――Liberty社は「世界最大のオーディオエンターテインメント企業」として構想している――とLive Nationを提携させることで、Liberty社は世界最大級のコンサート運営会社Live Nationでの収益アップが見込まれるという。

さらに噂では、Liberty社はタレントエージェント会社CAAにもアプローチをかける一方で、投資家に対しては、機が熟したところでユニバーサル・ミュージック・グループの50%の株式売却に対しても「間違いなく」狙いを定めているということだ。

こうした音楽業界の金の流れを操っているのは、Liberty社の会長兼創業者のジョン・マローン氏とCEOのグレッグ・マッフェイ氏。マッフェイ氏は以前、Spotifyといったストリーミング企業が一人勝ちを続ける長期ビジネスモデルに疑問を呈していた。彼はまた、Sirius XMとLive Nationの会長も兼任。SiriusによるPandora吸収の際は、情け容赦ない交渉人として立ち回った。

一方のマローン氏はケーブルTVや通信業界の重鎮で、大手メディアの買収で世間をにぎわせたこともある。アメリカの長者番付では67位、純資産は70億ドル以上に及ぶ。

Translated by Akiko Kato

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