サンタナを救った一曲、低迷期に大ヒットが誕生した感動秘話

カルロス・サンタナ、ロブ・トーマス、クライヴ・デイヴィス、その他「スムース」の制作の関係者たちが1999年のメガヒットの実現がいかに困難を極めることであったかを語る(Frank Micelotta/Getty Images)


4. ついに出会うサンタナとトーマス

サンタナの気持ちも固まり、レコーディングの日程もプロデューサー、マット・サーレティックを迎え、カリフォルニア州サウサリートのレコード・プラネット・スタジオで4月に決まった。サーレティックがマッチボックス・トゥエンティーと仕事をしたことがあるというだけでなく、サルサを演奏して育ち、マイアミ大学でラテン音楽のリズムと曲を勉強していたという意味でも彼が賢明な選択であったことを証明した。

サーレティック:サウサリートでレコーディングすることが決まり、私がそのレコーディングの手はずを整えた。私がバンドと一緒にスタジオに入ってリハーサルをして、それからロブとカルロスに初めて一緒に来てもらうという予定で。準備ができて、いつでも始められる状態になった。するとカルロスとロブがだいたい同じ時間ぐらいに来たから私は2人を紹介し合った。いくらか緊張感を感じたのを覚えているよ。どちらかというとカルロスよりロブからかな。カルロスは多少リラックスできる環境だったのかもしれない。自分の町に自分のバンドといたわけだからね。

トーマス:そう、カルロスとは「スムース」のレコーディングの日に初めて会ったんだ。彼は俺については何も知らなかった。デモの俺の声を気に入ってくれていたってこと以外はね。

サーレティック:カルロスはみんなが使うような普通のお香を持ってきていた。スタジオで使っていたと思う。アンプ・ルームでも使っていたけどコントロール・ルームでは使っていなかったね。

サンタナ:彼らが「みんなでスタジオに入って一斉にレコーディングしたらどう?」って言ったんだ。みんなでスタジオに入ってそのサウンドを聞くと「おお、すごい。別次元のレベルだ」って感じだった。最初から最後まで“本物”のサウンドだった。これは明らかに違うものだって感じたよ。

トーマス:カルロスはラテン界出身のプレイヤーだけどいつもロック・シンガーとやっていた。彼の演奏にぴったりはまった俺のそのままの声が心地良かったみたいですごく気に入ってくれたんだ。

サーレティック:テイク2でいいフィールが録れて、後は確かテイク3から1箇所だけ使ったところがあったと思う。いいバンドいて、いい曲があるなら、あれこれ変えない。そのエネルギーをテープに録ったら細かいニュアンスを追加するだけだ。

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2000年のグラミー賞でのロブ・トーマスとサンタナ(Ron Galella, Ltd./Getty Images)

トーマス:翌日、スタジオに行って、すべてのボーカル・トラックをやって、カルロスが来てギターのパートを少し取り直した。その2日で完成した。マッチボックスは本当にいいバンドになりかけているところだったけど、あのレベルの演奏力の人たちとやるとほんとうに驚かされるね。「俺たちはもっとレベルアップしなければいけない。本当はこれぐらいできるようないならなければいけない」って感じたよ。

サーレティック:問題は「いかにカルロスとロブの掛け合いを説得力のあるものにするか」で、そのためには編集がとても重要であった。全体としてはロブが歌うところにはギターは入らないんだけど、そこが難しいところなんだ。ハーモニーの中で1音か2音だけ2人がかぶってそこからどちらかだけになる。曲のいたるところにそういうところがあるんだ。

Translated by Takayuki Matsumoto

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