伝説の日比谷野音公演、岡林信康と矢沢永吉のライブアルバムを振り返る

ウィスキー・コーク / 矢沢永吉
恋の列車はリバプール発 / 矢沢永吉

矢沢永吉さんの1976年に出たライブアルバム『THE STAR IN HIBIYA』から、「恋の列車はリバプール発」。作詞は相沢行夫さんです。後のNOBODYのメンバーでもあり、キャロルの前のバンド、ヤマトの時代から矢沢さんの仲間でしたね。「恋の列車はリバプール発」は、この日2度目の演奏で1曲目もこの曲でした。そして、お聴きいただいたように「ウィスキー・コーク」のあのシーンも、当時コンサート会場で繰り広げられていて、矢沢のライブは喧嘩が起きるみたいな噂も流れてしまうんですね。キャロルの解散ライブの映像をご覧いただくと分かるんですけども、ステージに日本酒の瓶が並んでいたりして、本当に荒っぽいです。矢沢さんが日比谷に来る途中の行程をクールスが先導している映像を撮ったのは、後に尾崎豊さんを撮る佐藤輝さんという映像作家なんですけど、いわゆる暴走族のイメージが強かったんですね。コンサート会場でも、お客さんと警備員が殴り合いするシーンが珍しくはありませんでした。野音はそういう場所でもあったんですね。村上龍さんの芥川賞受賞作『限りなく透明に近いブルー』もちょうどこの頃に発売されたんですが、その中で野音で警備員と喧嘩するシーンが出てきます。そういう色々な状況を矢沢さんは音楽で乗り越えていった。この野音はバンドがすごい。ギターは高中正義さん、相沢行夫さん、ベースが後藤次利さん、キーボードが今井裕さん、ドラムが高橋幸宏さんと大森正治さん、ホーンセクションでジェイク・コンセプションがサックスで参加した。ミカバンドを解散した後のサディスティックスが中心になっているんですね。矢沢さんはこのメンバーを紹介しております。お聴きいただく曲は「A DAY」。

A DAY / 矢沢永吉

矢沢永吉さんの1976年に出た2枚目のアルバム『A DAY』のタイトル曲。あと10年、20年走り続けますと言ってから44年が経ちました。矢沢さんはロックをメジャーな音楽にした最大のレジェンドです。この翌年に武道館ライブも行なって、長者番付の一位になったのが1978年です。1976年に出た矢沢永吉さんのライブアルバム『THE STAR IN HIBIYA』から「A DAY」をお聴きいただきました。

Rolling Stone Japan 編集部

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