伝説の日比谷野音公演、岡林信康と矢沢永吉のライブアルバムを振り返る

矢沢永吉、2004年「FIFTY FIVE WAY」ツアーにて(Photo by Jun Sato/WireImage)




「J-POP LEGEND FORUM」ライブ盤特集7周目、伝説の野音。ご紹介したのは、1971年に発売になった、岡林信康さんのライブアルバム『岡林信康自作自演コンサート 狂い咲き』。矢沢永吉さんの1976年に出たライブアルバム『THE STAR IN HIBIYA』。流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

冒頭で1970年代、1980年代にデビューした人で野音を通過していな人はいないと言ってしまいましたが、東京には野外の会場自体が当時、なかったですからね。しかもお客さんが3500人以上入るわけで、渋谷公会堂や中野サンプラザよりも大きい。野音の後は武道館っていうのが、ステップアップの段階になっておりました。勢いが一番あるのが野音だったんです。勢いということでいうと、JUDY AND MARYの日比谷野音がありました。「Over Drive」を演奏する時に、YUKIさんが「JUDY AND MARYこの勢いを止めたくない!」と叫んでました。野音を舞台にして駆け上がっていったということでいうと、この矢沢永吉さんに尽きるでしょうね。キャロルの最後も野音で、1年後のソロも日比谷で。「野音、帰ってきたぞ」という言葉が、まさに彼の1年間を象徴しておりました。スターっていう言葉って、日本だとどうしても芸能界的なイメージがあるんですよ。アメリカのロックスターっていうのは、ロッド・スチュワートだったり、毛皮にワインみたいなイメージがずっとついていたんですが、矢沢さんが日比谷野音公演を「THE STAR IN HIBIYA」と名付けたときに、スターってこういう人も言うんだ、こういう人がスターなら僕らはスターを待望している。そういう気持ちになったのを覚えていますね。矢沢さんがスターとロックの新しい関係を見せてくれた。俺たちだってスターになれるんだっていうのを身を以て示してくれたライブでした。矢沢さんの特集はいつかやりたいなと、ずっと思っているんです。キャロルのデビュー直前のコンサートから見ていて、自分なりに語ることはできるんですが、矢沢さんがあれだけ説得力のある言葉で自分の音楽について語っているので、僕が出る幕はないよなっていう感じではいたんですが。でも、いつかやりたいと思っている特集であります。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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