リンキン・パーク『ハイブリッド・セオリー』20周年記念盤、メンバーが語る名盤の舞台裏

メンバーが『ハイブリッド・セオリー』の中で一番好きな曲は?

—チェスターのヴォーカルが入った未発表曲の数々は編集するのが大変でしたか? それともセラピーのような感じになりましたか?

マイク:「シー・クドゥント」を聴いた人に、「現代的にアップデートされていて、モダンに聞こえる。クールだね」っていう感想をもらったんだけど、実際は僕達は何もしてないんだ。デモをそのまま使った。これらの曲はマスタリングはしたけど、ミックスしなかったし、サウンドも変えなかった。だから、(モダンに聞こえるというのは)僕にとっては褒め言葉だった。ヴォーカルを聴き返したことについては、古いアルバムを見るような感じですごくノスタルジックな気分になったし、僕達が経験してきた旅に、感謝の気持ちが溢れてきた。「シー・クドゥント」や「ピクチャー・ボード」といった初期のデモは、チェスターが加入する以前のXero(ゼロ;ハイブリッド・セオリーの前のバンド名)時代のデモなんだ。当時の僕達はただのキッズで、全く関連性がない様々な大好きな音楽を融合して、僕達にとってシームレスに感じられるものに仕上げる方法を見出そうとしてたんだ。

—『ハイブリッド・セオリー』の中で一番好きな曲は何ですか? そして、同じワーナー・ミュージック所属の偉大なバンドとして答えていただきたいのですが、ヴァン・ヘイレンのベスト・シンガーは?

マイク:「ペイパーカット」が一番だよ。僕達が作ろうと励んでいるタイプの曲だった。ロックという点において、最高の僕達が出てる。バック・ビートは僕達がやってたエレクトロニック・ミュージックを凝縮したものだし、サンプルをループしてて、チェスターのラップコーラスも最高だ。そして曲の終わりはすごくメロディアスになって、最高のエンディングを迎える。このアルバムから一曲だけ聴くとしたら、僕にとってはこの曲だね。



ブラッド:マイクの答えが気に入ったよ。考えたことなかったけど、「ペイパーカット」は実にクールだね。全ての影響をシームレスに封じ込めてる。俺自身は、好きな曲は頻繁に変わる。沢山素晴らしい曲があるからね。だからこのアルバムはまとまりがあるんだと思うよ。全ての曲が重要な役割を果たしてる。それに、このアルバムには多様性もある。

ジョー・ハーン(DJ):実は長い間、「ワン・ステップ・クローサー」が好きじゃなかったんだ。曲が嫌いだったんじゃない。ただ、四六時中かかってて、毎回プレイを望まれるから、嫌気が差してて。今でも、ショウの凄くいいラスト曲になってるけど。でもその後は嫌じゃなくなって、今は僕が一番好きな曲の一つだよ。



フェニックス:ジョーは「キュアー・フォー・ザ・イッチ」って言うべきだよ。アルバムでDJのショーケースの瞬間になってるからね。



ジョー:あ、答え変えていい?

フェニックス:(笑)ベーストラックが数曲あって、その一つが「キュアー・フォー・ザ・イッチ」、もう一つが、何て名前だっけ?

マイク:「ベリー・ベーシック」だよ。最高にベーシックな曲。

フェニックス:そのベーシックな曲が、CDになったら入ってなかった。あれが僕が一番好きな曲になるはずだった。

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