錦鯉が語る、ブレない生き様「漫才には一生かけて恩返しする」

ー11月には新潮社から初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』が発売されました。タイトルはどのように決まったんですか?

長谷川:僕が去年の『M-1』記者会見で「人生大逆転!」って言ったのを、新潮社の編集者の方が気に入ってくれてたみたいで、そこを出発点に候補を出しました。あとは隆がインタビューで言ってた「くすぶっている僕たち」もヒントにして。「大逆転」というにはまだおこがましいというか。

渡辺:大逆転は全然してないもんね。まだまだマイナスもいいところですよ。

長谷川:人生のトータルで言ったらね。収入だってまだ同世代には追い付けてないですし。

渡辺:死ぬときにやっとトントンになるんじゃない(笑)。

長谷川:よく「睡眠時間が少なくて大変でしょ?」って言われるんですけど、今までいっぱい寝てきたから帳尻を合わせている感じですね~。

渡辺:おじさんだからすぐ目が覚めちゃうし、ちょうどいいかなって(笑)。



ー単独のVTRでは、長谷川さんが頭とヒゲをキレイに剃り上げるモーニングルーティンも流れてましたが、やっぱり身だしなみも気をつけるようになりましたか?

長谷川:でも今年からですよ! それまではバリカンの一番短いやつでテキトーに剃ってたんですけど、白髪が生えてくるとゴマ塩みたいで。おにぎりと間違って食べられたらイヤだから、ちゃんとT字で剃るようになりました。

渡辺:誰が食うんだよ。

ーそれによって、渡辺さんの叩き心地とか音も変わるんですか?

渡辺:うーん、僕はあんまり気付かなかったですね(笑)。よく手入れした野球グローブと同じで、手の吸い付きは良くなりました。

長谷川:ドラマーとしても大事だね。

ーたくさんテレビに出られるようになったからか、お2人とも芸能人の顔というか、シュッとした印象がありますよね。

長谷川:ホントですか!? 僕なんて今年に入ってから10キロは太りましたよ。前のスーツは2着持ってたんですけど、あまりにもお腹が大きくなったせいで、ズボンのチャック閉めたらパーン!って2着とも壊れちゃった。

渡辺:ボタンならまだしも、「チャックって弾けるんだ」って思いましたもん。

長谷川:それでスーツを買い替えまして、10年ぶりに健康診断にも行ったんですよ。そしたら身長が1.2センチ縮んでいたんですよね。縮むにはまだ早いだろってビックリしたんですけど。

渡辺:神様も「うるせー! 縮んどけ」って思ったんだろうね。

ー(笑)。渡辺さんが叩き過ぎて縮んだという説もあったり?

長谷川:いや、ホントにその可能性もあるんですよ。

渡辺:1.2センチでしょ?結成してもうすぐ10年だから、なんかリアルな数字ですよね(笑)。

長谷川:だから身体測定に2回……じゃなくて健康診断ね。身体測定って! 小学生じゃないんだから(爆笑)。ガッハッハ!!

渡辺:テメーが言ったんだよ(笑)。

長谷川:健康診断に2回行って、2回ともしっかり1.2センチ縮んでましたからね~。柱のキズで身長測るやつの逆バージョンをやってみようかな。こんなに太ったのも、ついついロケ弁を食べすぎちゃうんだよなあ。現場でも家でもロケ弁生活なんで。

渡辺:まあでも、前までが異常だったんですよ。単純に貧乏で食べられなくて痩せてただけだから。

長谷川:勝手に「食べられないダイエット」をやってました。

ー著書ではそんな極貧時代も、ご家族のことも赤裸々に記されていますが、現時点で語るべきことはすべて語り尽くせましたか?

渡辺:そうですね、これを読んでいただければ僕らのネタもさらに入りやすくなるんじゃないかなと。

長谷川:錦鯉の取扱説明書じゃないですけど、入門書としては良いんじゃないですかね。ただ僕としてはまだ言い足りないこともあるんで、早く第2弾も出したいなって思っています。

ー単独のエンディングでは、『くすぶり中年の逆襲』を映画化するなら長谷川さんをニコラス・ケイジ、渡辺さんを細木数子先生に演じてほしいとおっしゃっていました。しかし細木先生が亡くなってしまったので、キャスティングを考え直さないといけませんね。

渡辺:そうなんですよね。誰だろうな。

長谷川:今だったら松坂大輔がいいんじゃない?

ー引退したばっかりだからスケジュールも空いてそう(笑)。

渡辺:僕の2個下だから年齢も近いですしね。

長谷川:それならいいかも! ニコラス・ケイジと松坂大輔のW主演だったら話題性は抜群ですよ。

渡辺:監督はもちろんスティーヴン・スピルバーグでね。雅紀さんがUFOから降りてくる(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE