Da-iCEが語る音楽ルーツ、コンセプトEPで白黒つけたかったものとは?

-想太さんはどんな音楽遍歴を歩まれてきたんでしょう?

花村:僕は本当に掘るのが好きなタイプで、好きなアーティストさんの曲とひとつ出逢ったら、そこから1ヶ月ぐらい、その同じアーティストさんの曲を聴き漁るんです。で、また1ヶ月後には違うアーティストさんの曲を聴き漁っている。誰かを好きになる度にその方のアルバムをすべて借りて聴いていたので、本当にたくさんのアーティストさんの音楽と触れてきたと思いますし、たくさんのアーティストさんのマネもしていました。だから、その当時はカラオケに行って歌うときに「自分の声が分からない」と悩んでいて。10代前半の頃は何を歌ってもそれぞれのアーティストさんに似ちゃうから、それがすごくコンプレックスだったんですよね。

工藤:めちゃくちゃ上手いモノマネの人になっちゃうパターンだ?

花村:そう! どれが自分の声だか分からなくなっちゃったんですよ。でも、その状態から抜け出して自分のオリジナリティある声で歌えるようになってからは、逆に「こういう風に歌うと、この人みたいな声になるのか」みたいな感じで分析できるようになっていって、僕は1曲の中でアプローチをすごく変えるんですけど、それは当時の体験が活きているんですよね。大体の歌い手さんは発声の場所は1ヶ所、多くて2ヶ所なんですけど、僕は3、4ヶ所ぐらいを行き来しながら歌っているので、そうすると曲にめちゃくちゃ立体感で生まれるんです。


花村想太(Photo by Jumpei Yamada)

-デビュー前の体験がDa-iCEの音楽の立体感を生んだわけですね。それにしても、10代前半でそこまで歌い方の研究をしていたのはすごい。当時はまだデビューを目指していたわけじゃないんですよね?

花村:目指してないですね。率直な疑問として「どれが自分の声なんだろう?」と思っていたんですよ。そしたら、ある日「これだ!」と見つけることが出来て。逆にモノマネは出来なくなっちゃったんですけど(笑)、様々な発声方法をいろんなアーティストさんの曲を聴いて歌っていたことで習得することが出来ました。

-その頃から4オクターブの高音域は得意としていたんですか?

花村:全然。中学3年生で歌手になることを決めたんですけど、その頃はEXILEさんを原曲キーで歌って、コブクロさんをマイナス1のキーで歌っていたぐらいなので、決して高音域は得意じゃなかったんですよね。今だったらEXILEさんの曲はプラス7のキーでも歌えるし、コブクロさんの曲はハモりをプラス7にしても歌えるぐらいなんですけど。

-それは突然変異だったんですか?

花村:いや、トレーニングですね。高音域は声帯を引っ張って出すことになるので、声帯に柔軟性を持たせることでハイトーンは出やすくなるんですよ。なので、僕は16歳のときに、その柔軟性を持たせる為に毎日喉がかれても歌って、捻挫してもストレッチし続ける感覚で1年間歌い続けていたら、その間は1日たりとも絶好調で歌えることはなかったんですけど(笑)、その代わりに無理やりハイトーンを得ることが出来たんですよ。で、18歳で上京してからボイストレーニングでしっかりとした技術を身について、今に至る感じですね。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE