清春とDURANが語る、「すごいことをやりたいだけ」という衝動とジレンマ

「初めから同じ服なんか着たくない」(清春)

-例えばライブハウスで偶然出会って打ちのめされるとか、そういう感覚ってもはやオーディエンスがもう求めていないのかなって。

DURAN:ロックがポピュラーミュージックになっていっちゃったからですかね。それで良かったこともあるけど、そういうところが削ぎ落とされていってしまったという。今って“良い子”じゃないとやっていけないじゃないですか。色々コンプライアンスとかもあるし。その感じにライブパフォーマンスもなっちゃったのかなって。ちゃんと時間通りじゃないと次から出られないとか、そういうのを気にしてみんなライブをやっているみたいだし。

-時間はみんな気にしていますよね。

DURAN:ソロだと対バンツアーが多いんだけど、みんなすごく良い人たちなんですよ。サウンドチェックした通りにキッチリ進めて、しっかり終わらせる。僕なんて、いかに超えて壊していくかを考えているのに(笑)。

清春:分からないようにね。

DURAN:もちろん、小屋のスタッフさんたちに迷惑がかからないようにという気持ちはあるんですけど、絶対に次は曲これにした方がいいとかってお客さんの雰囲気で変わってくるじゃないですか。

清春:迷惑をかけるつもりはないんだよ。ただすごいことをやりたいだけで。

DURAN:そうそう!

清春:すごいこと=悪いことになっちゃったんだよね。ラインを超えてすごいことをしようとすると“清春さん怖い”ってなる。なんか、学生服の違反に似ているよね。学生服を着てはいるけど、ちょっとだけ短ランにしようかなとか、本当に分からない程度にやるのが今の日本じゃない? 「初めから同じ服なんか着たくないわ」って言うと、周りは「いや、ここは着た方が……」ってなる。むしろ、いかにカッチリ着るかみたいになっちゃってるでしょう?

-そうですね。カッチリ着るヤツがカッコいい風潮になっていますもんね。

清春:みんなと同じ服、流行っているものが良いということになっているのが悔しいよね。DURANみたいなことをやっていても、DURANと同じような世代のしょうもないヤツの方が売れてるわけなんで(笑)。僕らは世代的にも全然違うから気にしないでいられるけど、DURANみたいに実力があって、本人は相手にしていないかもしれないけど、客観的に見て何だろうなって思いますよ。

DURAN:今は、分かりやすい方が良いんですよ。全部に理由をつけるのが主流というか、歌詞の内容とかもそうですけど、なんでこの曲書いたの?っていう理由がすごく重要な感じになっていて。アートとしての音楽って、本来そういうのを超えているものじゃないですか。理由とか内容なんて、どうでも良いと思うんですけどね。僕が好きなロックとかも、良く分からないものが多いし。

清春:聴き手ももっと勉強しなきゃダメだな。今まで見たことがないモノだったりすると「ん?」ってなったりする。もちろん、それぞれの中に好きな曲調とか思い出があるだろうし、それを大事にするのももちろんいいけど、“見たことないけどカッコいい”という感覚も大事にするべき。音楽のことがよく分からなくても、理由なんかなくても「なんか分からないけどカッコいい」でいいんですから。

DURAN:そうそう。それで正解!

清春:何で好きなの?と聞かれた時に、その理由を答える必要はないんですよ。そういうのをDURANで勉強して欲しいですね。彼は本当の意味で逸材なんです。

<INFORMAITON>


清春
3作連続配信シングルリリース
第2弾シングル 「リグレット」
https://linkco.re/NsVYRD2q

DURAN ’KALEIDO GARDEN TOUR 2021 - 2022’
3月2日(水)music zoo KOBE太陽と虎
3月5日(土)名古屋SlowBlues
3月6日(日) 静岡Merry You
3月20日(日) 広島BAR AM
3月21日(月) 大分 club SPOT
3月24日(木) 小倉FUSE
3月27日(日) 京都磔磔
3月29日(火) 名古屋CLUB UPSET

KALEIDO GARDEN TOUR FINAL
ワンマン・ライブ
6月23日(木) Spotify O-EAST
https://www.duranguitar.com/tour/

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